葬儀に行けないときはまず連絡を!参列の代わりとなる供花・供物・弔電の送り方

葬儀辞典

葬儀は故人との最後のお別れであり、なるべく参列したいものです。また、葬儀に参列しないことが遺族に対して失礼にならないか、心配にもなるでしょう。

結論から言うと、やむを得ない事情で葬儀に参列しないことは失礼にあたりません。体調不良をはじめ、やむを得ない事情のある中で無理に参列しても、遺族にかえって気を遣わせてしまうこともあります。

ただ、参列できない旨をどう連絡するか、参列の代わりにどう弔意を伝えるかについてはしっかり押さえておきましょう。

本記事では葬儀に参列できない際の連絡方法、参列の代わりに弔意を伝える方法を解説します。

参列できないならまずは忘れず連絡!

葬儀に参列できないことがわかったら、まずは連絡をしましょう。

遺族は大切な人を喪った悲しみの中、葬儀の手配や各種手続きに追われ、とても忙しい状態です。料理や返礼品の準備もしなければならず、参列する人数を早めに把握したいです。

そのため、参列できないことがわかったら、その時点で連絡をしましょう。早めに連絡することは、遺族に対する気遣いになります。

なお、参列できない理由を細かく伝える必要はありません。

参列できない旨は簡潔に伝えるのが良く、理由が結婚式をはじめとする慶事では失礼にあたります。「やむを得ない事情で」「都合がつかず」のような伝え方がいいでしょう。

事前に行けないとわかっている場合

仕事の都合やどうしても外せない予定など、事前に葬儀に行けないことがわかっている場合、訃報の電話を受けた際に参列できないことを伝えましょう。

体調不良などで突然行けなくなった場合

体調不良や事故など、トラブルにより葬儀に行けなくなることもあるでしょう。この場合、訃報の連絡をしてくれた人にまずは電話をします。

この際、「遺族なら誰でもいい」ではなく、「訃報の連絡をしてくれた本人」に連絡するよう心がけましょう。遺族は友人関係や会社関係などで連絡係を分けている場合があります。係が異なる人に連絡をしてしまうと、混乱のもとになってしまいます。

やむを得ない場合はメール連絡でもOK

葬儀に参列できないことは、基本的に電話で連絡すべきです。電話が最も早く、確実だからです。メールでの連絡は略式であるため、なるべくなら避けましょう。

ただ、電話がなかなかつながらない、電話ができない状況にあるなど、やむを得ない場合はメール連絡でも構いません。メールでは丁寧な言葉遣いを心がけ、この後紹介する忌み言葉を避けることを意識しましょう。

メール連絡の例文

葬儀・告別式に参列できず、電話もつながらない場合、ひとまずメールで連絡してもいいでしょう。メールはあくまで略式であるため、なるべく避けるべきですが、連絡がつかないよりはずっと良いです。

メールで連絡する際は、下記の例文を参考にしてください。

この度は〇〇様の御逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。

すぐに駆けつけたいところですが、やむを得ない事情により伺うことができず、誠に申し訳ございません。

略式ではありますが、メールにてお悔やみ申し上げます。

心より、ご冥福をお祈りいたします。

つきましては、後日弔問に伺えればと存じます。お手数をおかけして申し訳ありませんが、落ち着きましたら、ご都合のよろしい日程をお知らせいただけますでしょうか。

大変な時期かと存じますが、どうぞお体ご自愛ください。

メールのみでは失礼なので、後日弔問に伺う、供花や弔電を送るなどの対応も取りましょう。供花や弔電を送れない場合、香典だけでも送ることをおすすめします。これらの対処法については、ここから詳しく解説します。

葬儀に参列できない場合の基本の対処法

葬儀に参列できなくても、弔意を伝える方法はあります。ここでは、葬儀に参列する代わりに弔意を伝える3つの方法を紹介します。

対処法1.香典を送る

香典は故人の霊前に供える、花や線香に変わるお金です。葬儀に参列する際に持参するイメージのある香典ですが、参列できない場合、持参せず香典を送ることもできます。

香典の金額は故人との関係性や自分の年代により変わります。目安は次の通りです。

20代30代40代~
親族両親3万~10万円5万~10万円
義理の両親3万~5万円10万円~
祖父母1万円3万円3万~5万円
兄弟・姉妹3万~5万円5万円~
叔父・叔母1万円1万~2万円
従兄弟・その他の親族3,000~1万円3,000~2万円
親族以外上司5,000円5,000~1万円1万円~
上司の家族3,000~5,000円5,000~1万円1万円~
友人・知人3,000~5,000円5,000~1万円5,000~1万円
友人の父母3,000~5,000円5,000~1万円5,000~1万円
勤務先の社員5,000円5,000~1万円1万円~

香典の金額目安

金額のほか、次のような基本的なマナーにも気を配りましょう。

【香典の基本的なマナー】

郵送する

葬儀に参列できない場合、香典は郵送しても構いません。この場合、現金書留で送りましょう。

郵便局の窓口に行き、香典を送りたいと伝えれば、香典袋が入る封筒をもらえます。なお、この封筒は有料です。

香典袋ごと封筒に入れるため、郵便局に行く前に香典を袋に包んでおきましょう。また、お悔やみの言葉と葬儀に参列できないことへのお詫びを書いた、「お悔やみ状」を入れておくと丁寧です。

代理人に託す

香典を代理人に託し、葬儀に参列してもらうこともできます。この代理人は、故人と関わりがない人でも構いません。

代理人に香典を渡してもらい、自分自身は弔電を送るという方法もあります。弔電を送ることで自らの弔意も伝えられます。参列できなかったことに悔いが残りそうなら、併せて弔電も送るといいでしょう。

香典の書き方や詳細なお金の入れ方については、こちらの記事で解説しています。

葬儀で必要な香典とは?相場や書き方、包み方など、マナーを徹底解説

対処法2.供花を送る

供花(きょうか)とは、葬儀会場の祭壇に飾られる花のことです。供花を送ることでも弔意を示せます。

この場合も、お悔やみ状を添えると丁寧です。また、供花はお通夜に間に合うように送りましょう。

供花を送る際は、葬儀を執り行う葬儀会社に連絡・相談することをおすすめします。供花は生花店やほかの葬儀会社から送ることもできますが、葬儀会社によっては、これらの他社からの持ち込みを拒否することもあります。

事前に相談・確認することで、供花を確実に届けられるでしょう。

対処法3.弔電を打つ

弔電(ちょうでん)とは、お通夜や葬儀に参列できない際に送る電報のことです。供花と同じよう、お通夜に間に合うように手配しましょう。

弔電はNTTをはじめとするさまざまな会社から送れます。会社ごとに文字数やデザイン、申し込み方法が異なり、線香やプリザーブドフラワーが付いた弔電もあります。条件に合うところを探しましょう。

なお、「午後2時までの申し込みで当日中にお届け(NTT西日本の場合)」のように、会社ごとに当日対応可の申し込み時間が異なります。時間がなく当日対応してもらいたい場合は、この点を重視して探すといいでしょう。

お悔やみ状や弔電で避けるべき言葉

お悔やみ状や弔電を送る場合、避けるべき言葉があります。次のような言葉は生死を連想させたり、不幸が重なることを連想させたり(重ね言葉)するため避けましょう。

弔電・供花・香典が送れなかった場合

弔電や供花、香典などが送れなかった場合、後日あらためて弔問(ちょうもん)するといいでしょう。弔問とは、訃報を受けて遺族にお悔やみを伝えに訪問することです。お通夜や葬儀が終わった後、自宅に訪問することもできます。

弔問の時期は葬儀が終わって三日から四十九日頃までが一般的です。先方は葬儀後もしばらくは忙しいため、都合がいい日を聞き、それに合わせましょう。

香典は弔問の際に自ら渡しても、先に郵送したり代理人経由で渡したりしていても構いません。香典を先に渡していた場合は、花や線香などの少額の供物を持参するといいでしょう。

葬儀に参列できない場合のケース別の対処法

最近は家族葬や一日葬などの葬儀も増えました。これらは通常の葬儀とマナーが異なるため、弔電や供花を送る前に、喪家の方針を確認した方がいいでしょう。家族葬や一日葬、そもそも訃報を知らずに参列できなかった場合など、ケース別の対処法を解説します。

葬儀は訃報を受けたご家族が参列するもの

前提として、葬儀は訃報を受けたご家族が参列するものです。訃報を受けていなければ、参列しないのが基本的なマナーです。
そのため、家族葬や一日葬などで葬儀の案内がなかった、参列を頼まれなかった場合は、参列したり参列できない旨を連絡したりする必要はありません。人づてに訃報を知った場合も、特にアクションを起こす必要はありません。弔意を伝えたい場合は、後日弔問するといいでしょう。

家族葬の場合

家族葬とは親しい人を中心に行う、少人数の葬儀のことです。家族や親せきといった親族だけでなく、親しい友人・知人を呼ぶこともあります。

家族葬で葬儀の案内を受けなかった場合は参列を控えましょう。案内を受けたが参列できないという場合、通常の葬儀と異なり、香典や供花を送ることは控えた方が無難です。ただ、案内に辞退の旨がなければ、弔電は送っても構いません。

一日葬の場合

一日葬はその名の通り、告別式から火葬までを一日で行う形式のことです。一日葬ではお通夜がありません。家族葬と同じく、参列者の数を少数に抑えるケースがあり、参列するかどうかは案内を受けたかどうかで考えましょう。

香典や供花、弔電の受け入れは喪家の方針により異なります。この場合も、案内に辞退の旨があるかどうかを確認しましょう。

葬儀の後に訃報を知った場合

葬儀の後に訃報を知った場合は、後日弔問するといいでしょう。この際、香典を持参しても構いませんし、花や供花などの少額の供物を持参するのもいいでしょう。

まとめ

親しい人の訃報を受けたら、なるべくなら参列したいものです。しかし、どうしても都合がつかなかったり、突然の体調不良や事故で参列できなくなったりすることもあるでしょう。参列できない事情がある場合、無理に参列する必要はありません。

葬儀に参列できない場合の対応は、後日弔問するかどうかで考えましょう。後日弔問する場合、その際に香典を持参するといいでしょう。弔問しない場合は、香典や弔電、供花を送ることで弔意を伝えられます。

葬儀に参列できなくても、弔問することで故人との最後の別れを済ませられます。気持ちの整理をつけるためにも、後日弔問することをおすすめします。