突然の訃報に駆けつけるお通夜と異なり、葬儀・告別式は事前に日時がわかっています。そのため、遅刻は大変失礼にあたり、原則NGです。
ただ、やむを得ない事情で遅刻してしまうこともあります。そんなとき、まずは葬儀会場に電話連絡をしましょう。
本記事では葬儀に遅刻しそうなときの連絡方法や注意点、到着時間ごとの対応方法を解説。お詫びの仕方や香典の渡し方も紹介します。
葬儀・告別式の遅刻は原則NG
葬儀・告別式はお通夜と異なり、事前に日時がわかっています。突然の訃報に駆けつけるお通夜と異なり、余裕をもって到着できるはずであるため、遅刻は大変失礼にあたります。
また、葬儀・告別式の後は出棺や火葬があります。一般の参列者は出棺を見送ったところで解散となるため、遅刻の度合いによっては故人との最後のお別れを済ませられません。火葬場の予約時間は決まっているため、誰かが遅刻したからといって、出棺や火葬の時間がずらされることもありません。
このような理由から、葬儀・告別式の遅刻は厳禁です。
遅刻しそうでもできるだけ出席する
葬儀・告別式の遅刻は原則NGですが、遅刻しそうだからといって参列を諦める必要はありません。
どんなに準備をしていても、交通機関の乱れや天候の影響など、不測の事態をゼロにすることはできません。遅刻してでも参列してくれたこと、忙しい中駆けつけてくれたことを嬉しく思う遺族も多いです。
遅刻しそうならまずは葬儀会場に電話連絡を
葬儀・告別式に遅刻しそうなら、まずは葬儀会場に電話連絡をしましょう。遅刻しそうなことがわかった時点で、できれば葬儀・告別式の会式前に連絡を入れるのが望ましいです。
開式前であれば、連絡を受けたスタッフや受付係が、遅刻の旨を喪主や遺族に伝えてくれます。会式後は伝言が難しくなるため、早めの連絡を心がけましょう。
ここでの連絡先はあくまでも葬儀会場であり、遺族や親族への直接連絡は避けます。葬儀当日、遺族や親族は参列者への対応や段取りなどで忙しいためです。
葬儀会場が自宅の場合は連絡を避ける
葬儀会場が故人や遺族の自宅の場合、遅刻の連絡は避けましょう。喪主や遺族は葬儀の対応に立て込んでおり、自宅に連絡してしまうと負担をかけてしまうからです。
葬儀会場が自宅で遅刻しそうな場合、電話連絡はせず、会場に着き次第スタッフに相談しましょう。
遅刻時の到着時間ごとの対応
葬儀・告別式に遅刻する場合、おおむね15分ごとに対応方法が変わってきます。ここでは遅刻時の到着時間ごとの対応について解説します。
なお、どの程度の遅刻であっても、会場に着いたらまずは受付係か葬儀会場のスタッフに、遅刻したことのお詫びとお悔やみを伝えましょう。
その後、受付係やスタッフの指示に従い対応を取ります。勝手に会場に入っていくと、会場の雰囲気を壊し、遺族や参列者に不快な思いをさせるかもしれません。必ず指示を仰ぎましょう。
15分ほどの遅刻の場合
15分ほどの遅刻の場合、読経の開始に間に合う可能性があります。遅れてくる参列者に備え、受付に人が残っている可能性も高いです。
この程度の遅刻であれば、読経に間に合う可能性もあります。受付係やスタッフがタイミングを見計らって、式場に案内してくれるでしょう。
30分ほどの遅刻の場合
30分ほどの遅刻の場合、読経の最中である可能性が高いです。読経の最中に入場することは導師に対して失礼になることもあります。どのタイミングで入場することになるかはわかりませんが、受付係やスタッフの指示に従えば問題ありません。
45分ほどの遅刻の場合
45分ほどの遅刻の場合、読経は終わっているでしょう。このタイミングでは焼香、喪主の挨拶や葬儀委員長の謝辞などが行われています。焼香にかかる時間は参列者の人数によって変わりますが、人数が多ければ焼香から参加できるかもしれません。
焼香が終わっていても、受付係やスタッフに焼香をしたい旨を伝えてみましょう。
1時間ほどの遅刻の場合
葬儀・告別式にかかる時間自体、1時間ほどです。そのため1時間ほどの遅刻では、すでに式が終わり、出棺も済んでいるかもしれません。1時間ほどの遅刻であれば、無理に参列しないこともひとつの選択肢でしょう。
ただ、諦めて会場に駆けつけることもしなければ、後悔が残るかもしれません。遺族は急いで駆けつけてくれたことをありがたく思うかもしれません。後悔が残りそうだと思うなら会場まで行き、焼香に間に合うかどうかをスタッフに聞いてみるといいでしょう。
遅刻・不参加の際の香典の渡し方
葬儀・告別式に遅刻したり参列できなかったりしたとしても、香典は渡すようにしましょう。香典は遺族への気持ちでもあるため、当日渡せなかった場合でも渡すべきです。
ここではケースごとの香典の渡し方を解説します。
お通夜で香典を渡している場合
お通夜で香典を渡している場合、葬儀・告別式で再度渡す必要はありません。香典を二度渡す、つまり重ねて渡すことは不幸が重なることを連想させ、遺族に対して失礼になってしまいます。
受付が可能な場合
お通夜で香典を渡していない、かつ到着した時点で受付が可能な場合、受付で記帳を済ませ香典を渡しましょう。
受付が閉まっている場合
受付が閉まっていた場合は無理に当日渡そうとせず、後日弔問し、その際に香典を渡すといいでしょう。弔問とは訃報を受けてお悔やみを伝えに訪問することです。お通夜や葬儀に間に合わず、参列できなかった場合でも、後日自宅に弔問できます。
弔問も難しそうであれば、現金書留で郵送するといいでしょう。郵便局の窓口で香典を送りたいことを伝えれば、香典袋が入る封筒(有料)をもらえます。香典には、お悔やみと葬儀に間に合わなかったことを伝える手紙を添えておくとなお良いです。
なお、会場で喪主に直接渡すケースもありますが、お金のトラブルのリスクを考えると避けた方が無難です。基本的に、弔問か郵送で送るようにしましょう。
遅刻したときの注意すべきポイント
葬儀・告別式に遅刻しそうなとき、遅刻したときに気を付けたいことを紹介します。
当日中のお詫びは避ける
葬儀・告別式に遅刻したら、喪主や遺族にお詫びを伝えましょう。ただし、当日中にお詫びをするのは控えた方が無難です。喪主や遺族は参列者への対応や葬儀会社との打ち合わせで忙しいためです。そんな中、無理にお詫びをするのは相手の負担となります。
もし、当日中にお詫びをしたいなら、まずは葬儀会社のスタッフに相談してみましょう。お詫びができそうなタイミングで案内してもらえることもあります。
お詫びはなるべく対面・口頭で
当日中のお詫びはなるべく避け、後日、できれば対面で、対面が難しくても電話での口頭でお詫びを伝えましょう。
具体的には法要をはじめとする用事で喪主・遺族に会ったとき、顔を見て直接お詫びを伝えるのが好ましいです。葬儀当日に香典を渡せなかったり、出棺に間に合わなかったりして弔問する場合は、その時にお詫びを伝えるといいでしょう。
遠方である、どうしても都合がつかないなどで会ってお詫びを伝えられない場合は、電話でお詫びをしましょう。メールやLINEでのお詫びは失礼にあたるため、最低でも手紙でお詫びをするようにしてください。
遅刻の連絡をメールやLINEでしない
遅刻の連絡は必ず電話でしましょう。メールやLINEでの連絡は失礼にあたりますし、相手が見られるとは限りません。
ただ、葬儀会場が故人や遺族の自宅の場合、電話連絡はしないようにしましょう。この場合、まずは葬儀会場まで行き、受付係やスタッフにどう対応すればいいか相談してください。
出棺後に到着しても火葬場には行かない
出棺後に到着した場合、故人とのお別れができません。だからといって、火葬場まで行くことは避けましょう。火葬場は遺族と、遺族に声をかけられた参列者のみが行きます。声をかけられていないのに、勝手に火葬場に行くことはマナー違反です。
手伝いや挨拶を頼まれていたのに遅刻してしまいそうな場合
手伝いや友人代表の挨拶などを頼まれていたのに遅刻してしまいそうな場合、すぐに会場に連絡しましょう。葬儀会社のスタッフや係の人と相談し、どのように対応するかを決めます。
まとめ
突然の訃報に駆けつけるお通夜とは異なり、葬儀・告別式は事前に日時がわかっています。また、火葬場の予約もあり、式は時間通りに進んでいきます。そのため、葬儀・告別式への遅刻は原則NGです。
ただ、どんなに準備をしていても、やむを得ない事情で遅刻してしまうこともあります。遅刻しそうとわかったら、その時点で会場に電話連絡をしましょう。この際、メールやLINEでの連絡は避けること、会場が自宅の場合は連絡を避けることを覚えておきましょう。
葬儀・告別式の受付は式の30分前から始まります。余裕をもって20分前を目安に到着できるようにしておくといいでしょう。普段から遅刻が多い、何が起こるかわからず不安というなら、早めに会場の近くまで行き、受付が始まるまでコンビニや喫茶店などで待つのもおすすめです。