葬儀費用を払えないときの対処法や公的支援についてわかりやすく解説します。費用を抑える方法や相談先も紹介。急な訃報で経済的な不安を感じている方に向けた内容です。
葬儀費用が払えないとき、どうすればよいのでしょうか。そんなときは、自治体の支援制度や分割払い、費用を抑えた葬儀の形を検討することで、無理のない形で故人を見送れます。
突然の別れに加え、経済的な不安を抱えるのはとてもつらいことです。「お金がないから葬儀ができないのでは…」と悩む方もいるかもしれませんが、できることはたくさんあります。
本記事では、葬儀費用が払えないときの対処法や利用できる制度、費用を抑える工夫についてわかりやすく解説します。急な訃報でどう動けばよいかわからない方、経済的に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
葬儀費用はどれくらいかかる?平均額と内訳
一般的な葬儀にかかる費用は、全国平均でおよそ100万〜200万円といわれています。形式や規模によって幅がありますが、決して小さな金額ではありません。
費用の内訳は大きく分けて3つに分かれます。まず、葬儀社に支払う基本的なプラン料金があります。祭壇や棺、霊柩車などが含まれ、全体の中でも最も大きな割合を占めます。
次にかかるのが、飲食や返礼品の費用です。お通夜や告別式での料理、香典へのお返しなどが該当し、人数によって金額が大きく変動します。
さらに、僧侶へのお布施も忘れてはいけません。読経料や戒名料として10万〜50万円程度が目安とされていますが、宗派や地域によって異なります。
このように、葬儀費用はさまざまな要素が積み重なって高額になりがちです。準備がないと急な出費に戸惑うこともあるため、あらかじめ内訳を知っておくことが大切です。
支払いに困るのはどんなとき?よくあるケース
葬儀費用の支払いに悩むケースは少なくありません。特に多いのは、急な訃報によって準備が間に合わなかった場合です。貯金や保険の手続きをする前に、まとまったお金が必要になるため、手元に現金がないと支払いに困ることがあります。
また、故人に頼れる家族や親族がいない場合も、負担が一人に集中しやすくなります。たとえば、兄弟姉妹が遠方に住んでいてすぐに動けなかったり、遺族との関係が疎遠だったりすると、費用を分担することが難しくなります。
生活が厳しい中での葬儀も、支払いが困難になる大きな理由のひとつです。失業中や非正規雇用、年金暮らしの世帯では、突然の高額な出費に対応できないこともあります。
さらに、葬儀の内容をよく検討しないまま業者に任せてしまい、見積もりが想定以上に高くなってしまうケースも見受けられます。気づいたときには支払いが難しくなっていた、という事態に陥ることもあるのです。
葬儀費用を払えないときの対処法
葬儀費用が用意できないときでも、なんとか乗り切る方法はいくつかあります。公的な制度を活用したり、支払い方法を工夫したりすることで、金銭的な負担を軽くできます。
ここでは、代表的な対処法を7つ紹介します。状況に応じて適したものを選び、無理のない方法で故人を見送りましょう。
親族で費用負担を分担する
もっとも現実的な方法のひとつが、親族で費用を出し合うことです。特定の家族だけに負担が集中すると支払いが困難になりますが、複数人で協力すれば一人あたりの金額を抑えられます。
特に兄弟姉妹や叔父叔母など、近しい関係であれば事情を話すことで協力を得られるかもしれません。金額の多寡よりも、助け合う姿勢が支えになることもあります。
自治体の葬祭扶助を利用する
生活保護を受けている人や、それに準じた生活状況にある人には、自治体による「葬祭扶助」の制度があります。これは、火葬に必要な最低限の費用を自治体が負担してくれる制度です。
支給対象や内容は地域によって異なりますが、原則として、葬儀は直葬に近い簡素な内容となります。申請は市区町村の福祉事務所を通じて行います。事前相談が必要なため、葬儀の前に早めに確認しておきましょう。
葬祭費・埋葬料の補助金を使う
国民健康保険や社会保険に加入していた故人には、「葬祭費」や「埋葬料」が支給される場合があります。これは、被保険者が亡くなった際に、その葬儀をした人に支給される制度です。
支給額は保険の種類や自治体によって異なりますが、一般的には3万〜7万円ほどです。申請には期限があるため、必要書類をそろえて速やかに手続きを進めましょう。
分割払いに対応している葬儀社を探す
葬儀社によっては、費用の分割払いに対応しているところもあります。一括での支払いが難しい場合は、こうした業者を選ぶことで負担を軽減できます。
分割回数や金利の有無、支払い方法などは葬儀社によって異なるため、事前に問い合わせて確認しておくことが大切です。公式サイトに記載されていない場合もあるため、直接相談するのが確実です。
クレジットカードで分割払いする
クレジットカードを利用して葬儀費用を支払う方法もあります。カード会社によってはあとから分割払いやリボ払いに切り替えることもできるため、すぐにまとまった現金がなくても対応が可能です。
ただし、カードが利用できる葬儀社に限られることと、支払い方法によっては手数料が発生する点に注意が必要です。カードの利用可能枠にも余裕があるか確認しておきましょう。
カードローンでお金を借りる
手元に現金がない場合、カードローンを利用して一時的に資金を用意する方法もあります。申し込みから融資までが比較的スピーディで、即日対応してくれる金融機関もあります。
ただし、利息が発生するため、返済計画をしっかり立てたうえで利用しましょう。借り過ぎや長期返済によって生活が圧迫されないよう、慎重に判断することが大切です。
葬儀ローンを利用する
最近では、葬儀専用のローンを提供する金融機関も増えています。用途は葬儀代に限定され、僧侶へのお布施には使えませんが、一括払いに比べて負担は軽くなります。
申し込みには審査があるため、必ずしも利用できるわけではありませんが、条件が合えば分割払いの選択肢として有効です。利用前に金利や返済期間を確認し、無理のない範囲で計画的に進めましょう。
費用を抑えられる葬儀の形態
葬儀にはいくつかの形式があり、選ぶ内容によって費用に大きな差が出ます。なかでもお通夜や告別式を省略した簡素な形式を選ぶことで、全体の費用を大幅に抑えられます。
ここでは、費用面で負担の少ない3つの葬儀形式を紹介します。それぞれの特徴を知り、故人の意向や自身の状況に合ったかたちを検討してみてください。
火葬式(直葬)
火葬式とは、お通夜や告別式をせず、火葬のみで見送る最も簡素な葬儀のかたちです。「直葬」とも呼ばれ、費用を抑えたい場合によく選ばれます。
祭壇や会場費、飲食接待費などがかからないため、全体の費用は10万〜30万円ほどに収まることが一般的です。ただし、宗教的な儀式をしないため、親族や関係者の理解を得ておく必要があります。
一日葬
一日葬は、お通夜をせず、告別式と火葬を同じ日にまとめて行う葬儀形式です。従来の二日間の流れを簡略化することで、費用や手間を軽くできます。
会場使用料や人件費が抑えられ、全体の費用も一般葬より少なめです。故人とのお別れの時間をしっかり持ちたいけれど、負担は減らしたいという場合に適しています。
家族葬
家族葬は、親族やごく親しい人のみで行う少人数の葬儀です。お通夜や告別式は行いますが、参列者が少ないため、料理や返礼品の費用が抑えられます。
一般的な葬儀と同じ流れで執り行いたい場合でも、規模を小さくすることで費用を調整できます。家族の時間を大切にしながら、無理のない範囲で見送りたい方に選ばれています。
葬儀費用を抑えるためにできること
葬儀にかかる費用は、事前の工夫次第である程度コントロールできます。形式を変えるだけでなく、内容や依頼先の選び方を見直すことで、予算に合わせた無理のない葬儀を実現できます。
ここでは、費用を抑えるためにできる3つの具体的な工夫を紹介します。急なことで余裕がないときだからこそ、落ち着いて考えることが大切です。
葬儀の規模を見直す
葬儀の費用は、参列者の人数や会場の規模によって大きく変わります。盛大な葬儀にする必要がない場合は、家族葬や一日葬など、規模の小さい形式に切り替えることで費用を大幅に抑えられます。
とくに返礼品や料理代は人数に比例して増えるため、参列者を限定するだけでも負担を減らせます。無理に慣習に従うのではなく、故人や遺族の希望に合った規模を選ぶことがポイントです。
不要なオプションを省く
葬儀社のプランには、必ずしも必要でないオプションが含まれていることがあります。たとえば高額な祭壇装飾やランクの高い棺など、見た目を重視した内容は費用がかさむ傾向にあります。
見積もりを受け取ったら、内容を一つひとつ確認し、自分たちにとって本当に必要かどうかを考えましょう。プランをシンプルなものに変更するだけでも金額を抑えられます。
複数の葬儀社から見積もりを取る
同じような内容の葬儀でも、葬儀社によって費用が大きく異なることがあります。そのため、1社だけで決めずに、できれば2〜3社以上から見積もりを取りましょう。
事前に比較することで、費用の相場感がつかめるだけでなく、不要な上乗せや不透明な料金に気づくこともあります。見積もり比較サイトなどを活用すれば、時間がない中でも効率よく情報を集められるでしょう。
葬儀費用を払えないときは1人で悩まず相談を
葬儀にはまとまったお金がかかるため、突然の出費に戸惑う方は少なくありません。もちろん、費用が用意できないからといって、葬儀をあきらめる必要はありません。分割払いや補助制度、低価格な葬儀の形など、さまざまな選択肢があります。
大切なのは、1人で抱え込まないことです。親族と相談する、公的な支援を調べる、葬儀社に支払い方法を相談するなど、できることはたくさんあります。
あんしん祭典ではローン会社を利用でき、葬儀費用の分割払いが可能です。また、事前に互助会に入会していただき、葬儀費用を少しずつ積み立てていくこともできます。費用を抑えたプランも提案できるので、まずはお気軽にご相談ください。