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包括遺贈とは?特定遺贈との違いや注意点、メリット・デメリット

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包括遺贈は遺言で資産全体を引き継がせる方法です。相続との違いやメリット・注意点、手続き方法などを解説します。

遺言によって財産を引き継ぐ方法のひとつに、包括遺贈があります。包括遺贈とは特定の財産ではなく、相続財産の割合や全部を包括的に譲る制度です。一見すると便利なように見えますが、義務の承継や手続きの煩雑さなど、注意すべき点もあります。

本記事では包括遺贈の意味や特徴、相続との違い、実際の手続き方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。遺言を検討している方や、遺贈の受け手になるかもしれない方はぜひ参考にしてください。

包括遺贈とは

包括遺贈とは、遺言によって財産の全部または一定の割合を包括的に譲る方法です。具体的には、「私の財産のすべてを長男の〇〇に遺贈する」や「財産の3分の1を次男の〇〇に遺贈する」などです。このように、特定の財産の種類や内容を指定せずに、遺産全体に対する包括的な権利を与えるのが包括遺贈の特徴です。包括遺贈の受け手のことを「包括受遺者(ほうかつじゅいしゃ)」と呼びます。

包括遺贈は民法第964条に基づく制度であり、相続と似た扱いを受ける点がいくつもあります。ただし、包括受遺者は相続人とは異なり、遺言によって指定されます。そのため、相続人でない人に対しても包括遺贈を行えます。

包括遺贈は、法的には相続と同様の権利・義務を引き継ぐ仕組みとして位置づけられています(民法第990条)。そのため、包括受遺者には次のような権利と義務が発生します。

包括遺贈は単なる贈与とは異なり、法律の観点から見ても準相続ともいえる制度です。そのため、遺言を作成する側も受け取る側も、それなりの理解と準備が必要になります。

包括遺贈と特定遺贈の違い

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。

特定遺贈とは、「〇〇の土地」や「〇〇銀行の預金口座にある100万円」のように、特定の財産を指定して譲る方法です。それに対して、包括遺贈では財産全体または割合で指定されます。そのため、相続財産が増減しても受け取る内容が柔軟に変化するのが特徴です。

また、包括受遺者は相続人と同じように債務(借金)も財産とともに承継します。これが特定遺贈との大きな違いです。たとえば、包括遺贈ですべての財産の3分の1を受けた場合、その3分の1には不動産や現金だけでなく、未払いの借金も含まれます。

一方で、基本的に特定遺贈の場合は、借金を受け継ぐ義務は発生しません。

包括遺贈と相続の違い

相続は、民法によって定められた法定相続人に対して発生する制度です。具体的には、配偶者や子ども、父母などの直系尊属、兄弟姉妹が法定相続人です。遺言が存在しない場合、民法の規定に従って法定相続人に対して財産が自動的に分配されます。

それに対して包括遺贈は、法定相続人でなくても遺言によって任意に指定された人が財産の全部または一部を受け取れる仕組みです。つまり、包括遺贈は遺言によって発生する法定相続以外の財産承継の方法といえます。

遺贈は、相続人でない人でも財産を受け取れる点が特徴です。内縁の配偶者、友人、看護をしてくれた介護職員、法人(学校法人・福祉団体など)など、基本的には任意で誰でも指定できます。法律上の家族でなくても財産を遺したい人に遺せる柔軟性があり、近年では家族以外の第三者や団体に対する包括遺贈が増加しています。

ただし、法定相続人の遺留分を侵害するような包括遺贈をすると、遺留分侵害額請求を受ける可能性があるため、注意が必要です。

包括遺贈のメリット

包括遺贈は法定相続人以外にも自分の財産を分配できる制度として、近年増えてきています。包括遺贈にはどのようなメリットがあるのでしょうか。包括遺贈の主なメリットを3つ紹介します。

1. 遺族にバランスよく財産を譲れる

包括遺贈は「財産全体の〇〇%を譲る」のような、割合による指定が可能です。そのため、遺産の種類や内容が変わっても、遺族にバランスよく財産を分配できるのが特徴です。

たとえば「土地は長男」「株は次男」のように指定してしまうと、その後の財産の価値変動によって配分に差が出てしまい、自分が亡くなったあとに遺族間でトラブルが発生する可能性があります。

それに対して包括遺贈であれば「すべての財産の3分の1をAに遺贈し、残りを法定相続人に相続させたい」といった意思を遺せます。こうすることで不動産、現金、株式など財産の中身が変動しても、割合によって自然にプラスとマイナスが調整され、遺族にバランスよく相続してもらえるのです。

2. 柔軟な財産承継ができる

包括遺贈は、法定相続人に限らず第三者や団体にも行えます。そのため、お世話になった人や社会貢献をしている団体など、自分の意思で自由に遺贈が可能です。身内のいない方や、遺族以外に感謝の気持ちとして財産を遺したい方にとっては、便利な制度といえるでしょう。

3. 相続人との間で調整ができる

包括受遺者は、法定相続人と同様に、遺産分割協議に参加できます。そのため法的には相続人ではなくても、準相続人として財産配分について意見を述べたり、調整に加わったりできます。法定相続人の遺留分を侵害しないように配慮する必要はありますが、包括受遺者は自身の意思を伝えた上で遺贈を受けられるというメリットがあります。

包括遺贈のデメリット

包括遺贈は相続に比べて柔軟に遺産を特定の人に残せる制度です。さまざまなメリットがある反面、包括受遺者は注意すべきポイントもあります。包括遺贈を受ける主なデメリットを3つお伝えします。

1. 負債を引き継ぐリスクがある

包括遺贈では、不動産や預貯金といったプラスの財産だけでなく借金やローンなどのマイナスの財産も同じ割合で遺贈されます。

たとえば、財産の半分を包括遺贈されたとします。もし被相続人の財産の中に借金がある場合、その半分も同時に受け継ぐことになります。そのため、被相続人の財産内容が不透明な場合や借金の有無が不明な場合、安易に受け入れると後々思わぬトラブルに発展する可能性もあります。

包括遺贈の話を受けたら、安易に承諾せず、まずはマイナスの財産はないかしっかり確認するようにしましょう。

2. 遺産分割協議に巻き込まれる可能性がある

包括受遺者は相続人と同様に、遺産分割協議への参加権を持ちます。そのため、話し合いが長引いたり、争いに巻き込まれたりするリスクもあります。相続人が遺言の内容に納得してくいれない場合、協議が難航したり、調停や訴訟に発展したりするケースもあります。

3. 税務・登記の手続きが複雑

包括遺贈で財産を取得すると、相続時と同様に相続税の申告や納税、不動産登記の手続きなどが必要になります。なかでも、不動産登記は複雑です。遺言書の形式や内容に応じて必要な書類が異なり、登記原因を「包括遺贈」と明記する必要があります。

税務面では、遺贈された財産は相続税の課税対象になります。そのため、他の相続人との調整や申告・納税期限の管理も重要です。

包括遺贈の手続き方法

包括遺贈は、遺言によって指定される財産承継方法です。そのため遺言者が生前に行う準備と受遺者が死亡後に行う手続きの両方が必要になります。それぞれに必要な手続きを解説します。

遺言者がする手続き

包括遺贈をするためには、有効な遺言書の作成が必要です。遺言書には主に3つの種類があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆で書き、署名・押印する形式の遺言書です。費用がかからず手軽に作成できる反面、形式の不備によって無効になるケースも少なくありません。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人が作成・保管する方式で、法的な安全性が最も高い形式です。証人2人の立会いが必要ではあるものの、内容が確実に執行されるメリットがあります。費用の相場は数万円〜数十万円ですが、遺贈する財産の額に応じて変動します。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、内容を秘密にできる形式です。ただし、手続きが煩雑なうえ法的トラブルの原因にもなりやすく、現在はほとんど利用されていません。

包括遺贈のように大きな権利の移転が関係する遺言の場合は、公正証書遺言で作成すると安心です。

包括受遺者がする手続き

遺言者が死亡した後、包括受遺者は次のような判断と手続きをします。

包括遺贈の承認

包括遺贈を受ける場合には、承認が必要です。包括遺贈の承認は、特別な手続きをしなくても相続財産の一部または全部を使用すると黙示の承認として受け入れられます。(民法第921条)ただし、遺贈された財産の中に負債が含まれる場合は、内容をよく確認した上で判断することが重要です。

包括遺贈の放棄

遺贈された財産に債務が多かったり、受け取りたくなかったりする場合には、家庭裁判所で包括遺贈の放棄を申述できます。

包括遺贈の放棄は、相続放棄と同じく原則として相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に行う必要があります(民法第938条、第915条)。3ヵ月以内に放棄の申述を行わないと、自動的に承認したとみなされてしまうため注意が必要です。

包括遺贈は正しい理解と準備が大切

包括遺贈は、遺言によって財産の全部または一部を割合で譲れる柔軟な財産承継の方法です。相続人に限らず親族以外の人や団体にも遺贈できる点は、大きな魅力といえるでしょう。

その反面、包括受遺者は債務(借金)も含めて引き継ぐ必要があります。また、遺産分割協議への参加や不動産の名義変更、相続税の申告といった煩雑な手続きが伴うことも理解しておく必要があります。

包括遺贈を円滑に進め、意図通りに活用するためには、信頼できる専門家と連携しながら、遺言書の作成から遺贈後の手続きまでをしっかり設計しましょう。

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