死亡届の提出は葬儀屋が代行できますが、記入は自分で行う必要があります。本記事では死亡届の書き方や提出先、必要書類まで詳しく解説。初めての手続きに不安を感じる遺族の方に向けた記事です。
死亡届の提出は葬儀屋が代行できますが、記入そのものは自分でしなければなりません。提出先や必要書類も決まっているため、正しく理解しておくことが大切です。
突然の別れの中で、手続きの多さに戸惑う方も多いのではないでしょうか。葬儀の準備と並行して進めなければならないため、落ち着いて対応するのは簡単ではありません。
本記事では、死亡届の書き方や提出先、必要書類、提出期限までをわかりやすく解説します。初めて手続きをする遺族の方や、葬儀屋にどこまで任せられるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
死亡届の提出は葬儀屋が代行してくれる
死亡届の提出は、葬儀屋に代行を依頼できます。多くの葬儀社では、火葬許可証の取得まで一括して対応しており、遺族が役所に出向く手間を省けます。特に、葬儀の準備で慌ただしい時期には大きな助けとなるでしょう。
提出を代行やサポートをしてもらうことで、手続きの漏れや記入ミスを防げるのもメリットです。葬儀屋は提出先の役所の窓口や必要書類に詳しく、手続きをスムーズに進めてもらえます。自分たちで行う場合と比べ、精神的・時間的な負担を大幅に減らせます。
ただし、死亡届を葬儀屋に預ける前に、必ずコピーを多めにとっておきましょう。生命保険の請求や年金の手続きなど、複数の場面で死亡届の写しを求められることがあるためです。
死亡届の記入ができる人
- 配偶者
- 6親等以内の血族
- 3親等以内の姻族(配偶者の血族など)
- 同居人
- 家主、地主、家屋・土地の管理人
- 後見人、保佐人、補助人
これらの人が死亡届を記入できます。記入は届出人本人が行い、役所への提出は葬儀屋が代行できます。
死亡届の様式
死亡届の用紙は、1枚の紙に「死亡届」と「死亡診断書」が一体となっています。左側が死亡届、右側が死亡診断書になっており、医師が右側の死亡診断書を記入したあとに、遺族が左側の死亡届を記入します。
この様式は全国共通で、病院や役所などどこで受け取っても同じ形です。記入済みの死亡診断書の内容をもとに、死亡届の必要事項を記入していく流れになります。
なお、亡くなった原因が事故や事件、自殺などの場合には、「死亡診断書」ではなく「死体検案書」という名称になります。ただし、用紙の構成は死亡診断書と同じで、提出先や扱いも変わりません。
死亡届の入手方法
死亡届は、死亡診断書と同じ用紙にまとまっています。そのため、医師から死亡診断書を受け取る際に、同時に入手するのが一般的です。病院で亡くなった場合は、医師が死亡診断書を作成し、そのまま1枚の用紙を遺族に渡します。
自宅などで亡くなった場合も、往診した医師が死亡診断書を作成し、同じ用紙を手渡します。つまり、死亡診断書を受け取る段階で自動的に死亡届も入手できる仕組みです。役所や葬儀屋で別途用紙をもらう必要はありません。
死亡診断書の提出先
死亡診断書(死亡届)の提出先は、次のいずれかの役場の窓口です。
- 死亡者の本籍地
- 届出人の所在地
- 死亡地
これらのいずれかに該当する市区町村役場で受け付けてもらえます。ただし、「死亡者の所在地(現住所)」では原則として提出できない点に注意が必要です。現住所が本籍地や死亡地と異なる場合は、どの役所に提出するかをあらかじめ確認しておくと安心です。
提出窓口は、多くの自治体で本庁や支所、出張所の戸籍係が担当しています。しかし、自治体によって対応が異なる場合があります。特に、葬儀屋が代理で提出するケースでは、本庁でしか受け付けてもらえないこともあるため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
死亡届の提出期限
死亡届の提出期限は、国内と海外で異なります。国内で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。海外で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から3か月以内が期限です。なお、期日が役場の閉庁日である場合は、その翌日の開庁日が期日となります。
ただし、実際には葬儀を行う前に火葬許可証を取得する必要があるため、死亡届は通常、死亡から1〜2日以内に提出します。火葬許可証がなければ火葬ができないため、葬儀日程に合わせて早めの手続きが求められます。
なお、正当な理由がなく期限内に届け出を行わなかった場合には、5万円以下の過料が科されることがあります。届出人が忘れずに提出できるよう、葬儀屋に代行を依頼しておくと安心です。
死亡届の書き方
死亡届は、右側の死亡診断書を参考に左側の欄へ必要事項を記入します。記入内容は正確に書くことが大切です。
死亡診断書を見て書き写すこと
以下の項目は、死亡診断書を見ながらそのまま書き写します。
- 氏名
- 性別
- 生年月日
- 死亡したとき
- 死亡したところ
住所と世帯主の氏名
死亡した人の現住所と、その世帯の世帯主の氏名を記入します。
本籍と筆頭者の氏名
戸籍上の本籍地と、筆頭者(戸籍の最初に記載されている人)の氏名を記入します。
死亡した人の夫または妻
「いる」「いない」の当てはまる方にチェックを入れましょう。「いる」の場合は、配偶者の年齢も書きます。「いない」の場合は、未婚・死別・離別の当てはまるものにチェックを入れます。
死亡したときの世帯の主な仕事
亡くなった時点での世帯全体の主な生計の基となっていた仕事にチェックを入れます。
死亡した人の職業・産業
死亡した本人が従事していた職業と、その職業が属する産業を記入します。
その他
必要に応じて、火葬場や墓地の所在地など、葬儀に関する情報を記載します。
届出人情報
届出人の氏名・住所・生年月日・続柄・電話番号などを記入します。
火葬許可証の受け取りに必要な書類
火葬許可証とは、亡くなった方を火葬するために必要となる書類です。死亡届を提出したあと、役所から発行されます。火葬許可証がないと火葬ができないため、葬儀や火葬の手続きにおいて最も重要な書類のひとつです。
火葬後は、火葬場で「火葬が済んだ」ことを示す押印がされます。その押印がある書類が「埋葬許可証」として扱われ、納骨の際に墓地や霊園へ提出することになります。
この火葬許可証を受け取るためには、次の3つの書類を役所に提出する必要があります。「死亡届」「死亡診断書」「火葬許可申請書」の3つです。以下でそれぞれについて説明します。
死亡診断書
死亡診断書は、医師が死亡を確認したことを証明する書類です。死亡の日時や原因、死亡場所などが記載されており、死亡届の右側に一体となっています。医療機関から受け取り、役所に提出することで火葬許可証の発行手続きに進めます。
死亡届
死亡届は、法律上「死亡の事実を役所に届け出る」ための書類です。死亡診断書と一体になっており、左側を遺族が記入します。葬儀屋に提出を代行してもらうことで、火葬許可証の発行までスムーズに進められます。
火葬許可申請書
火葬許可申請書は、火葬を行うために必要な申請書です。役所の窓口や葬儀屋を通じて入手できます。必要事項を記入して提出すると、火葬許可証が発行されます。葬儀屋が代行して手続きを行うことも多く、遺族が役所に出向かなくても取得できるケースがほとんどです。
死亡届以外に必要な手続き
死亡届の提出が終わっても、遺族には多くの手続きが残ります。税金、年金、保険、契約など、関係先ごとに対応が必要です。葬儀後はできるだけ早めに整理し、漏れのないよう進めましょう。
準確定申告
準確定申告とは、亡くなった方に代わって相続人が行う所得税の申告手続きです。1月1日から死亡日までの所得を対象に計算し、死亡日から4か月以内に納税地の税務署へ提出します。給与所得者でも医療費控除などがある場合は申告が必要になるため、税務署や税理士に早めに相談しておくと安心です。
各種名義の変更
- 銀行口座
- 不動産や車の登記
- 公共料金や電話、インターネットの契約
名義変更の際は、死亡診断書や除籍謄本、相続人の身分証などが求められます。手続きには期限が設けられているものもあるため、相続の流れと合わせて整理して進めることが大切です。
各種書類の返却や年金の停止
- 年金証書
- 健康保険証
- 介護保険被保険者証
これらの書類は、発行元の市区町村や年金事務所へ返却します。公的年金を受給していた場合は、年金の停止手続きも必要です。放置すると年金が誤って支給され、返還を求められることもあるため注意しましょう。
各種サービスの解約
- 電気、ガス、水道などのライフライン
- 携帯電話、インターネット契約
- 新聞、サブスクリプションサービス
これらの契約は、死亡後も自動的には止まりません。早めに連絡して解約や名義変更を行いましょう。口座引き落としが続くと、使っていないサービスにお金を支払うことになってしまいます。
各種請求
- 生命保険金の請求
- 未支給年金の請求
- 埋葬料・葬祭費(健康保険や国民健康保険)
- 遺族厚生年金・死亡一時金
これらの請求には、死亡診断書や死亡届の写し、本人確認書類が必要です。手続きにはそれぞれ期限があり、申請が遅れると受け取れないこともあるため、必要書類をそろえて早めに申請することが大切です。
死亡届の提出や各種手続きは、葬儀屋の代行やサポートを受けよう
死亡届や火葬許可証の手続き、名義変更や年金の停止など、葬儀後には多くの事務手続きが発生します。慣れない状況の中で一つひとつ対応するのは大きな負担となるため、葬儀屋の代行やサポートを積極的に活用しましょう。
多くの葬儀屋では、死亡届の提出から火葬許可証の取得、葬儀後の各種案内までを一貫して支援してくれます。専門のスタッフが正確に手続きを進めてくれるため、遺族は安心して葬儀に専念できます。
あんしん祭典でも、死亡届の提出代行から葬儀後の各種手続きまで、さまざまなアフターサービスを提供しています。何から手を付けていいかわからない、手続きが多くて混乱してきたという方は、まずはお気軽にご相談ください。


