お墓には一般墓・永代供養墓・納骨堂などさまざまな種類があります。本記事ではそれぞれの特徴や費用、選び方のポイントを解説。家族に合ったお墓を見つけたい人や、後悔のない供養方法を考えたい人におすすめです。
お墓には、一般墓や永代供養墓、納骨堂、樹木葬など、さまざまな種類があります。それぞれに特徴や費用、管理方法が異なり、家族の事情や考え方によって適した形も変わります。
「どの種類を選べばいいのかわからない」「子どもに負担をかけたくない」と悩む方も多いのではないでしょうか。お墓は一度選ぶと長く付き合うものだからこそ、慎重に考えたいものです。
本記事では、お墓の主な6種類の特徴や費用、選び方のポイントをわかりやすく解説します。自分や家族に合ったお墓の形を知りたい方、これからお墓を建てようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
お墓の種類を知る前に知っておきたいこと
お墓は、かつて家族や地域の絆を象徴するものでした。しかし近年は、少子高齢化や核家族化などの影響で、お墓のあり方そのものが変わりつつあります。従来のように代々受け継ぐ形だけでなく、管理や継承の負担を減らした新しい供養の形も広がっています。
ここでは、まずお墓が多様化した背景と、お墓選びで多くの人が直面する悩みについて見ていきましょう。今の時代に合ったお墓を考えるための前提を整理しておくことが大切です。
お墓の種類はなぜ多様化しているのか
少子高齢化や都市への人口集中が進み、従来の「家で守るお墓」を維持するのが難しい家庭が増えています。地方にある先祖代々の墓を守れず、管理費や移動の負担に悩む人も少なくありません。その一方で、跡継ぎがいなくても供養を続けられる永代供養墓や納骨堂が注目されるようになりました。
また、自然志向や宗教観の変化も多様化を後押ししています。樹木葬や散骨など、自然と一体になる供養を選ぶ人が増えています。こうした背景には「子どもに負担をかけたくない」「自分らしく最期を迎えたい」という思いがあり、現代のライフスタイルに合わせたお墓選びが求められています。
お墓選びでよくある悩み
お墓を選ぶとき、多くの人がまず悩むのは「費用」と「管理」の問題です。建墓費用や永代使用料のほか、年間の管理費や法要の出費など、長期的な負担を考える必要があります。家族が遠方に住んでいる場合、定期的にお参りや清掃を行うことも難しくなりがちです。
家族間で意見が分かれるケースもあります。宗派の違いや、どの地域にお墓を建てるかといった問題は、話し合いを避けると後にトラブルになりかねません。まずは「何を一番大切にしたいのか」を共有し、複数の選択肢を比較する姿勢が重要です。
お墓の種類は大きく6タイプ
お墓にはさまざまな形があり、近年は「どの種類を選ぶか」で供養の仕方や管理方法が大きく変わります。従来の墓石を建てる一般墓に加え、永代供養墓や納骨堂、樹木葬、散骨、手元供養など、選択肢は広がっています。
それぞれに特徴や費用、向いている人が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。ここでは代表的な6つのタイプについて、概要と費用の目安、おすすめの人の傾向を順に紹介します。
| お墓の種類 | 費用目安 | おすすめの人 |
| 一般墓 | ・初期費用は約100万〜300万円。 ・年間管理費は約5,000円〜2万円。 ・立地や墓石の材質、サイズで大きく変動。 | ・家でお墓を継承していきたい人。 ・屋外でお参りの場を大切にしたい人。 ・伝統的な形式で供養を続けたい人。 |
| 永代供養墓 | ・合祀は約3万〜20万円。 ・個別安置は約20万〜100万円。 ・期間や安置方法で変動、年管理費不要の施設もあり。 | ・跡継ぎがいない人。 ・子どもに負担をかけたくない人。 ・管理を施設に任せて安心したい人。 |
| 納骨堂 | ・ロッカー式は約30万〜70万円。 ・仏壇式は約50万〜120万円。 ・自動搬送式は約80万〜150万円、年管理費がかかる場合あり。 | ・天候を気にせず屋内で参拝したい人。 ・駅近などアクセス重視の人。 ・清掃や草刈りの負担を避けたい人。 |
| 樹木葬 | ・合同型は約10万〜40万円。 ・里山型は約20万〜80万円。 ・ガーデン型は約30万〜100万円、永代供養込みのこともあり。 | ・自然の中で眠りたい人。 ・墓石にこだわらない人。 ・承継負担を抑えたい人。 |
| 散骨 | ・海洋散骨は約3万〜30万円。 ・空中散骨は約10万〜50万円。 ・宇宙葬は100万円以上※粉骨費用は別途必要。 | ・お墓を持たず自然へ還りたい人。 ・管理負担を残したくない人。 ・シンプルな供養を望む人。 |
| 手元供養 | ・ミニ骨壺は約5,000円〜3万円。 ・アクセサリーは約1万〜10万円。 ・ガラス封入は約3万〜15万円※維持費不要。 | ・故人を身近に感じて供養したい人。 ・まずは費用を抑えて供養を始めたい人。 ・将来ほかの供養方法へ移行したい人。 |
6種類のお墓の費用目安とおすすめの人
一般墓【従来型のお墓】
一般墓は、屋外に墓石を建てて遺骨を埋葬する、最も伝統的なお墓の形です。多くは家単位で使用し、代々引き継いでいく「家墓」として長く供養を続けます。寺院や霊園、公営墓地など、管理主体によって利用条件が異なり、立地や宗派に応じて選べます。
他の種類と比べると、自由にお参りできる点や家族の絆を感じられる点が魅力です。一方で、墓石の設置や維持管理に費用と手間がかかるのがデメリットです。後継者がいない場合は、将来的な「墓じまい」や永代供養への移行を検討する必要があります。
費用目安
一般墓の費用は、墓地の永代使用料と墓石代、工事費、そして年間の管理費で構成されます。地域や霊園の立地、墓石の材質やデザインによって大きく変動し、初期費用はおおよそ100万〜300万円程度が相場です。年間管理費は5,000円〜2万円前後が一般的です。
次の表は、管理主体による費用の目安です。公営墓地は費用を抑えやすく、民営霊園は設備の充実度に応じて価格が上がる傾向があります。寺院墓地は供養や法要が一貫して行える分、檀家費用などが加わる場合があります。
| 概要 | 費用目安 | |
| 公営墓地 | 自治体が運営する墓地。利用条件あり。 | 約50万〜150万円 |
| 民営霊園 | 民間企業や財団が運営。設備が充実。 | 約100万〜300万円 |
| 寺院墓地 | 寺院が管理。原則として寺院の宗派に属する必要あり | 約150万〜350万円 |
一般墓の費用目安
おすすめの人
- 家族や子どもにお墓を継いでいってほしい人
- 屋外でゆっくりとお参りできる場所を持ちたい人
- 伝統的な形式で手厚く供養を続けたい人
永代供養墓【承継者不要で管理を任せられるお墓】
永代供養墓は、寺院や霊園が遺族に代わって供養や管理をしてくれるお墓です。家族や子どもに後を継がせる必要がなく、契約時に供養の期間や方法を取り決めるのが一般的です。一定期間、遺骨を個別に安置し、その後他の遺骨と一緒に合祀(ごうし)される形が多く見られます。
管理や清掃は施設側に任せられるため、遠方に住んでいても安心して供養を続けられます。一方で、合祀後は個別の墓石や区画がなくなるため、従来のようにお墓参りをしたい人にはやや物足りなさを感じる場合もあります。
費用目安
永代供養墓の費用は、遺骨の安置方法や供養期間によって大きく変わります。個別に安置する期間が長いほど費用は高くなり、合祀型は費用を抑えられます。基本的には納骨料と永代供養料を合わせた金額を契約時に一括で支払います。
次の表は、主な永代供養墓の分類と費用目安です。一般墓に比べて初期費用を抑えやすく、年間管理費がかからない施設も多く見られます。
| 概要 | 費用目安 | |
| 個別墓 | 一定期間、個別の区画や墓石で供養される形式 | 約30万〜100万円 |
| 合祀墓・合葬墓 | 他の遺骨と一緒に供養される共同の墓 | 約3万〜20万円 |
| 集合墓 | 複数の遺骨を合同で個別安置し、一定期間後に合祀 | 約10万〜50万円 |
| 個別安置墓 | 屋内や納骨堂で個別に保管し、供養を継続 | 約20万〜80万円 |
永代供養墓の費用目安
おすすめの人
- 跡継ぎがいない、または子どもに負担をかけたくない人
- 管理や掃除の手間を避け、供養を任せたい人
- 費用を抑えながらも、安心して供養を続けたい人
永代供養の種類についてもっと詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
永代供養とは?お墓の管理にかかる費用や手間を抑える方法、永代供養墓の選び方
納骨堂【屋内型で管理がしやすいお墓】
納骨堂は、屋内施設に遺骨を安置する形式のお墓です。建物内に設けられた専用スペースに納骨するため、天候に左右されず、清潔で管理もしやすいのが特徴です。宗教不問の施設も多く、都市部を中心に需要が高まっています。
ほかの種類と比べると、通いやすさや管理の手軽さが大きな利点です。掃除や草むしりの必要がなく、スタッフによる管理も行き届いています。一方で、屋内施設のため供養の雰囲気が一般墓よりも静的で、自然の中でお参りしたい人にはやや物足りないかもしれません。
費用目安
納骨堂の費用は、区画のタイプや安置期間によって変動します。永代供養付きのプランや個別ブース型など、設備が充実するほど費用は上がる傾向です。契約時に初期費用を支払い、年間の維持費や更新料が別途かかるケースもあります。
次の表は、代表的な納骨堂のタイプと費用の目安です。ロッカー式は比較的手頃で、仏壇型や自動搬送式は利便性とプライバシー性を兼ね備えています。
| 概要 | 費用目安 | |
| ロッカー式 | 小型のロッカーに遺骨を安置。シンプルな構造。 | 約30万〜70万円 |
| 仏壇式 | 仏壇のようなスペースに位牌や遺骨を安置。 | 約50万〜120万円 |
| 自動搬送式 | ICカードなどで参拝時に遺骨を搬送するシステム型。 | 約80万〜150万円 |
おすすめの人
- 屋内で天候を気にせずお参りしたい人
- 都市部でアクセスの良い場所にお墓を持ちたい人
- 清掃や管理の手間をかけずに供養を続けたい人
納骨堂の種類や費用について、さらに詳しく知りたい方にはこちらの記事もおすすめです。
納骨堂の費用は10万~150万円|タイプ別の費用の目安と内訳、誰が支払う?
樹木葬【自然に囲まれた埋葬スタイル】
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とするお墓の形式です。遺骨は樹木の根元や専用の区画に埋葬され、自然の一部として眠ることができます。里山を利用したタイプや、都市型のガーデンスタイルなど、環境や景観に合わせた多様な形が広がっています。
一般墓に比べると、自然に囲まれた静かな環境で供養できる点が魅力です。管理の手間が少なく、永代供養付きで承継を気にせず利用できる場合もあります。ただし、墓石を持たないため、お参りの目印や供花スペースが限られる点は注意が必要です。
費用目安
樹木葬の費用は、埋葬方法や区画の広さによって大きく変わります。個別の区画を設けるタイプは費用が高く、合同タイプや共同墓型は比較的リーズナブルです。多くの施設では、永代供養料が含まれており、年間の管理費が不要なケースもあります。
次の表は、代表的な樹木葬の分類と費用の目安です。自然環境を重視するタイプから都市部の整備型まで、選ぶ場所によって価格帯が異なります。
| 概要 | 費用目安 | |
| 里山型 | 自然の山林を利用した樹木葬。四季の景観が楽しめる。 | 約20万〜80万円 |
| ガーデン型 | 霊園内に整備された庭園風の区画に埋葬。 | 約30万〜100万円 |
| 合同型 | 複数の遺骨を一緒に埋葬する共同スタイル。 | 約10万〜40万円 |
樹木葬の費用目安
おすすめの人
- 自然の中で穏やかに眠りたい人
- 墓石にこだわらず、環境にやさしい供養を望む人
- 承継を気にせず永代供養を希望する人
樹木葬のメリットやデメリット、種類についてさらに詳しく知りたい方にはこちらの記事もおすすめです。
散骨【自然に還る供養方法】
散骨は、遺骨を粉末状にして海や山など自然の中にまく供養方法です。墓地を持たずに故人を自然へ還すという考え方で、環境への配慮や自分らしい最期を望む人に選ばれています。法律上は節度をもって行えば違法ではないと解釈されており、専門業者に依頼して実施するのが一般的です。
一般墓や納骨堂と比べると、管理費が不要で経済的な点が大きなメリットです。墓地の維持や掃除の手間がなく、家族への負担も少なく済みます。一方で、遺骨を物理的に残さないため、後からお参りできる場所がないことをデメリットと感じる人もいます。
費用目安
散骨の費用は、実施方法や場所、参加人数によって大きく異なります。最も手軽な委託散骨は数万円程度で行えますが、セレモニー付きやチャーター船を利用する場合は費用が上がります。また、事前に行う粉骨処理にも別途料金がかかります。
次の表は、代表的な散骨方法の分類と費用の目安です。海洋散骨が主流ですが、空からの散骨や宇宙への打ち上げなど、新しい形式も登場しています。
| 概要 | 費用目安 | |
| 海洋散骨 | 船で海上に出て遺骨をまく一般的な方法。合同・個別プランあり。 | 約3万〜30万円 |
| 空葬 | 飛行機やバルーンで空中から散骨する方法。 | 約10万〜50万円 |
| 宇宙葬 | 遺骨の一部をロケットで宇宙に打ち上げる形式。 | 100万円以上 |
散骨の費用目安
おすすめの人
- お墓を持たずに自然へ還りたい人
- 家族に管理の負担をかけたくない人
- 自分らしい形でシンプルに供養をしたい人
散骨についてもっと詳しく知りたい方、法的に問題ないのか不安な方は、こちらの記事もお読みください。
手元供養【遺骨を自宅で供養する新しい形】
手元供養は、遺骨や遺灰の一部を自宅で保管し、身近な場所で故人を偲ぶ供養の方法です。ミニ骨壺やペンダント、オブジェなどの形に加工して、リビングや仏壇のそばに置くスタイルが一般的です。お墓を建てずに個人で供養できるため、ライフスタイルに合わせやすいのが特徴です。
他のお墓の種類と比べると、費用を抑えやすく、宗教や場所にとらわれない自由さがあります。一方で、遺骨を保管する責任は家族にあるため、将来的に処分や納骨の時期をどうするかをあらかじめ話し合っておくことが大切です。
費用目安
手元供養の費用は、使用する容器や加工方法によって大きく異なります。ミニ骨壺やカプセルタイプのものは手頃で、ジュエリー加工やガラス封入タイプはやや高価になります。お墓や納骨堂のような管理費は不要で、購入時の費用のみで済むのが一般的です。
次の表は、代表的な手元供養の分類と費用の目安です。デザイン性や素材の違いによって価格が変動しますが、いずれもコンパクトで扱いやすいのが特徴です。
| 概要 | 費用目安 | |
| ミニ骨壺 | 遺骨の一部を納める小型の骨壺。陶器や金属製など素材が豊富。 | 約5,000〜3万円 |
| アクセサリータイプ | ペンダントやブレスレットなど、身につけて供養するタイプ。 | 約1万〜10万円 |
| ガラス封入タイプ | 遺灰をガラスや樹脂に封入し、オブジェとして飾るタイプ。 | 約3万〜15万円 |
手元供養の費用目安
おすすめの人
- 故人を身近に感じながら日常の中で供養したい人
- お墓を建てずにシンプルな形で供養をしたい人
- 将来的に納骨や散骨など別の供養方法へ移行したい人
手元供養は自宅墓とも呼ばれます。自宅墓を作り、日常の中で気軽にお参りをしたい方は、こちらの記事もお読みください。
自宅の庭にお墓は建てられないが、室内に自宅墓を置くことはできる
管理主体によるお墓の分類
お墓は、運営や管理を行う主体によって大きく3つに分けられます。自治体が運営する「公営墓地」、民間事業者が運営する「民営墓地」、そして寺院が管理する「寺院墓地」です。どの墓地を選ぶかによって、費用や利用条件、雰囲気が異なります。
ここでは、それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。自分や家族に合った管理体制を理解しておくことが、納得できるお墓選びにつながります。
公営墓地
公営墓地は、市区町村などの自治体が運営・管理している墓地です。費用が比較的安く、永代使用料や管理費が明確に定められているため安心感があります。宗教や宗派に制限がないことが多く、誰でも利用しやすい点も特徴です。
ただし、利用には自治体ごとの応募条件があり、居住地や抽選によって申し込みが制限される場合があります。また、人気のある地域では空きが少なく、申し込みから使用までに時間がかかることもあります。安定した管理と信頼性を重視する人に向いています。
民営墓地
民営墓地は、宗教法人や公益法人などが運営する墓地です。立地条件や設備の充実度、デザイン性などの自由度が高く、自分の希望に合ったお墓を選びやすいのが特徴です。宗教・宗派を問わず利用できるところが多く、都市部でもアクセスの良い立地にある施設が増えています。
一方で、運営主体によって費用や規約が大きく異なる点には注意が必要です。永代供養や納骨堂など多様なプランが用意されているため、事前に内容をよく確認してから契約することが大切です。利便性や設備を重視する人に向いています。
寺院墓地
寺院墓地は、寺院が管理・運営する墓地です。檀家として寺院と関係を築きながら、法要や供養を継続的に行える点が特徴です。信頼できる僧侶のもとで供養を任せられるため、精神的な安心感を得られるという人も多くいます。
ただし、宗派や宗旨の制限があり、檀家としての入檀料や寄付が必要になる場合があります。費用面よりも、信仰心や供養の手厚さを重視する人に向いています。寺院との関係を通じて、故人を長く丁寧に弔いたい人に適した選択です。
お墓選びで後悔しないための5つのポイント
お墓を選ぶときは、費用や見た目だけで判断せず、長く安心して供養を続けられるかを意識することが大切です。どんなに立派なお墓でも、維持が難しくなれば後悔につながります。
ここでは、後悔のないお墓選びに役立つ5つの視点を紹介します。それぞれのポイントを意識することで、今の暮らしにも、将来の家族にも負担の少ない選択ができるようになります。
費用だけでなく「管理しやすさ」を重視する
お墓を選ぶときは、初期費用だけでなく、維持や管理にかかる手間や費用も見据えて検討することが重要です。永代供養付きや屋内型の納骨堂など、清掃や法要を施設に任せられるタイプなら、家族の負担を減らせます。
管理のしやすさを重視して選ぶことで、遠方に住む家族でも安心して供養を続けられます。将来的な世代交代やライフスタイルの変化にも柔軟に対応でき、長く無理のないお墓になります。
家族のライフスタイルに合うかを考える
お墓の場所や形式は、家族の生活に合っているかどうかを軸に考えましょう。転勤や引っ越しの可能性がある場合は、交通の便が良く、どこからでも通いやすい立地を選ぶと安心です。
家族の状況に合ったお墓を選ぶことで、無理なくお参りが続けられます。将来的に誰か一人に負担が偏ることも防げ、家族みんなが気持ちよく供養を続けられます。
アクセスの良さ・立地条件を確認する
霊園や納骨堂を選ぶ際は、交通アクセスや周辺環境を実際に確認することが大切です。最寄り駅からの距離や駐車場の有無、バリアフリー対応などを見ておくと安心です。
アクセスが良い場所や屋内型の施設を選べば、天候や年齢に関係なくお参りしやすくなります。無理なく訪れられるお墓は、自然とお参りの機会も増え、家族のつながりを保つ場としても役立ちます。
宗派・宗旨に合うかを事前に確認する
お墓を建てる前に、その墓地や霊園の宗派・宗旨の条件を必ず確認しましょう。寺院墓地では特定の宗派に限られる場合があり、檀家としての関係が必要になることもあります。宗教不問の霊園を希望する場合は、その点を事前に確認することが重要です。
宗派や宗旨に合ったお墓を選ぶことで、将来的なトラブルを避けられます。法要や供養の作法を確認することで、家族全員が心穏やかにお参りできる環境が整います。
将来の「墓じまい」も見据えて選ぶ
お墓を建てる際には、将来的に墓じまいが必要になる可能性も想定しておきましょう。承継者がいない場合や、遠方への移住が見込まれる場合は、永代供養付きや合祀型のお墓を検討するのも一つの方法です。
墓じまいを見据えた選択をしておくことで、家族が困らずに済みます。将来にわたって安心できる計画を立てることで、故人を大切にしながら現実的な供養を続けられます。
お墓を選ぶときの流れ
お墓を建てる、あるいは新しい供養方法を選ぶときには、順を追って考えることが大切です。感情や雰囲気だけで決めてしまうと、後から「思っていたものと違った」と感じることもあります。
ここでは、家族での話し合いから契約・納骨までの流れを5つのステップに分けて紹介します。ひとつひとつの工程を丁寧に進めることで、納得できるお墓選びにつながります。
1. 家族で希望を話し合う【どんな供養を望むのか方向性を決める】
まずは家族全員で、どんな供養を望むのかを話し合いましょう。宗教や宗派の考え方、管理のしやすさ、費用など、希望や不安を共有することが大切です。意見が異なる場合も、互いの考えを尊重しながら優先順位を整理します。
事前に話し合うことで、後悔のない選択がしやすくなります。誰か一人が負担を抱えることを防ぎ、家族全員が納得できるお墓を選べるようになります。
2. 種類・予算の目安を決める【現実的な選択肢を整理する】
話し合いの内容をもとに、お墓の種類と予算を決めましょう。一般墓や永代供養墓、納骨堂など、それぞれの特徴を比較し、無理のない範囲で費用を設定します。初期費用だけでなく、維持費や管理費も忘れずに考慮します。
あらかじめ予算の目安を立てることで、現実的な範囲で選択肢を整理できます。見学時に焦らず判断できるようになり、希望に沿ったお墓を効率よく見つけられます。
3. 霊園・納骨堂を比較・見学する【実際に現地で雰囲気を確かめる】
候補が絞れたら、霊園や納骨堂を実際に見学してみましょう。パンフレットや写真ではわからない周囲の環境、清掃状況、スタッフの対応などを自分の目で確認します。アクセスの良さや施設内のバリアフリー設備もチェックポイントです。
お参りのしやすさや管理の丁寧さを見極めることで、長く安心して利用できる場所を選びやすくなります。
4. 見積もりを取り、内容を確認する【費用の内訳と条件を比較する】
複数の霊園や石材店から見積もりを取り、費用の内訳を細かく確認しましょう。永代使用料や墓石代のほか、年間管理費や法要費など、追加で発生する費用も把握することが大切です。契約条件や保証内容の違いにも注意します。
見積もりを比較することで、適正な価格と条件を見極められます。費用面の不安を減らせるだけでなく、信頼できる業者や施設を選ぶ判断材料にもなります。
5. 契約・建立・納骨の流れ【契約から納骨までの手続きを進める】
契約内容を確認し、問題がなければ正式に契約を結びます。その後、墓石の設計や施工が行われ、完成後に開眼供養(お墓を清める法要)を経て納骨します。寺院墓地などでは、日程調整や儀式の段取りも相談しながら進めましょう。
契約から納骨までの流れを理解しておくことで、慌てずに準備ができます。段取りを把握しておけば、家族間の連携も取りやすく、故人を落ち着いた気持ちで見送れます。
お墓に関するよくある質問(Q&A)
お墓を選ぶ際には、費用や形式だけでなく、細かな疑問や不安が生まれることもあります。ここでは、よくある質問に簡潔にお答えします。
お墓の種類は途中で変更できる?
可能な場合もありますが、手続きや費用が発生します。遺骨を移す場合は「改葬許可申請」が必要になるため、事前に自治体や霊園に相談しましょう。
永代供養墓でもお参りできる?
多くの施設ではお参りが可能です。ただし、個別安置の期間や合祀後の供養方法によって参拝できる場所や時期が異なるため、契約前に確認しておくと安心です。
宗派が違っても同じお墓に入れる?
宗教不問の霊園や納骨堂であれば問題ありません。寺院墓地の場合は宗派や檀家の制約があることもあるため、事前に確認しておきましょう。
樹木葬や散骨は法律的に問題ない?
節度をもって行えば問題ありません。散骨の場合は、墓地埋葬法の対象外とされていますが、海洋散骨などでは地域のルールに従う必要があります。
形式よりも気持ちを大切に、自分と家族に合ったお墓を選ぼう
お墓選びに正解はありません。大切なのは、家族が心を込めて故人を想い続けられる形を選ぶことです。立派な墓石でなくても、自然の中で静かに眠る供養でも、その想いがあれば十分に意味のある選択になります。
また、費用や管理の負担を無理なく続けられるかどうかも重要です。家族の状況や価値観に合わせて選ぶことで、後悔のないお墓選びができます。
まずは、気になる種類を比較したり、霊園や納骨堂を見学したりして、実際の雰囲気を確かめてみましょう。葬儀社に相談するのもひとつの手です。たとえばあんしん祭典では、葬儀後のアフターサービスとして、お墓の紹介や永代供養の手配ができます。
見学や相談を通し、自分と家族にとって「これなら安心できる」と思える形を見つけることが、心穏やかな供養への第一歩です。


