小規模な葬儀を希望する人が増え、増加傾向にある「一日葬」の流れを解説します。受付から告別式・火葬までのタイムスケジュール、必要な準備、注意点までをまとめて解説します。
一日葬とは、お通夜をせずに告別式と火葬のみを1日で執り行う葬儀形式です。近年、高齢化や働き方の変化により、参列者の負担を抑えられる小規模な葬儀のひとつとして選ばれるケースが増えています。しかし、一般葬や家族葬との違いがわかりにくく、当日の流れも具体的にイメージしづらいという声も多く聞かれます。
本記事では、一日葬の詳しい流れを時系列で解説し、事前準備や注意点までわかりやすく解説します。
一日葬とは
一日葬とは、お通夜をせず、告別式と火葬のみを1日で執り行う葬儀形式です。一般葬のように2日間かけて営む必要がないため、日程が短縮され、遺族や参列者の負担が軽い点が大きな特徴です。近年では、核家族化や高齢化が進む中で「必要な儀式だけにしたい」「参列できる人が限られている」などの希望から、一日葬を選ぶケースが増加しています。
一般葬や家族葬との違い
一日葬は、一般葬や家族葬と並ぶ近年の主要な葬儀形式です。しかし、それぞれ内容が異なります。
一般葬は、お通夜と告別式を2日間で行う構成で、参列者も会社関係や友人まで幅広いことが多い伝統的な葬儀スタイルです。
その一方で家族葬は、遺族や親しい人のみで行う少人数の葬儀です。お通夜と告別式は行うものの、参列者の範囲を絞って費用や準備の負担を抑える傾向があります。
一般葬や家族葬に対し、一日葬はお通夜をせず告別式と火葬に絞る点が最大の特徴です。そのため、時間的にも経済的にも負担が少ない葬儀形式です。
一日葬が選ばれる背景
近年一日葬が増えているのには、以下の3つのような理由があります。
1.費用を抑えやすい
お通夜を省略することで、人件費、式場利用費、通夜振る舞いなどの飲食費が不要になります。一般葬では100〜150万円ほどかかるケースが多いのに対し、一日葬は60〜100万円程度に抑えられるのが特徴です。
2.日程調整がしやすい
葬儀の日程は火葬場の空き状況に大きく左右されます。しかし、一日葬はお通夜の時間帯を考慮する必要がありません。そのため、1日で完結させられ、日程が組みやすいメリットがあります。仕事の都合がつきやすく、遠方から来る親族への負担も軽減できます。
3.参列者の負担が軽い
参列者を2日間拘束することになる一般葬と比較し、一日葬は一日で完結します。そのため、高齢の親族や仕事で忙しい人も参加しやすいことから、都市部を中心に利用が広がっています。
また、高齢者家庭では「二日間は体力的に厳しい」という理由から一日葬を選ぶケースも多く見られます。
一日葬の全体の流れ
一日葬は、告別式、出棺、火葬、収骨までを1日で行う小規模な葬儀です。一般葬のように前日に通夜をしないため、当日は朝から式場に入り、午後には火葬を終えて解散するケースがほとんどです。
ここでは、一日葬の全体像がイメージできるよう、詳細なタイムラインで解説します。
8:00〜9:00:式場到着・スタッフとの最終確認
- 葬儀社との打ち合わせ:遺族は開式1時間ほど前に式場に到着し、進行内容・喪主挨拶・火葬場の移動時間などを確認します。
- 遺影/位牌/供花の最終配置:祭壇の飾り方、供花の配置、遺影の角度まで細かい調整をし、雰囲気を整えます。
9:00〜10:00:受付・開式準備
- 受付:家族葬規模の場合、香典を受け取らないケースもあり、受付自体を設けないこともあります。行う場合は、会葬礼状や香典返しの配置を確認します。
- 会葬者への案内:葬儀社スタッフにより、開式時間まで控室に案内したり、席の誘導をしたりします。
10:00〜11:00:告別式
- 僧侶読経:仏式の場合、導師による読経から始まります。無宗教の場合は音楽やスライド上映など、自分たちらしい形式で告別式は行われます。
- 焼香:喪主→ 親族→ 一般参列者の順に焼香します。人数が少ないため、落ち着いて故人を偲べます。
- 弔辞/弔電:必要があれば喪主や友人代表などが弔辞を述べます。弔電は会場で読み上げるか、掲示するかを選択できます。
- 音楽葬/無宗教葬の場合の進行:読経の代わりに、好きな音楽や写真投影を中心に式が進むケースも増えています。
11:00〜11:30:故人とのお別れ
- 花入れ儀:参列者が故人の周囲に花を手向け、最後の装飾を整える時間です。
- 納棺:棺の蓋を閉じる前の最期の対面時間で最も感情が動く時間です。家族がゆっくりお別れを告げます。
11:30〜12:00:出棺
- 喪主挨拶:式場での最後の挨拶を述べ、参列者への感謝を伝えます。
- 霊柩車への搬送:スタッフが棺を慎重に運び、遺族は後に続いて火葬場へ移動します。
12:00〜13:00:火葬
- 火葬炉前での読経/焼香:火葬炉の前で短い読経や焼香を行うのが一般的です。
- 控室で待機:火葬には約1時間前後かかります。控室では飲み物を飲みながら故人の思い出を語り合い、静かに待ちます。
13:00〜13:30:収骨(お骨上げ)
- 骨壺への収骨:足元の骨から順に拾い、最後に頭の骨を納めるのが一般的な作法です。
13:30〜14:00:解散・会食の有無
- 会食:会食は必ずしも必要ではなく、省略してそのまま解散する家庭も増えています。
一日葬を行うための事前準備
一日葬は当日の流れがタイトです。そのため、事前準備がしっかりできているかどうかで当日のスムーズさが大きく変わります。準備不足があると「式が短いのに慌ただしい」「参列者案内が追いつかない」などのトラブルが起こりやすくなります。遺族が押さえておくべき重要ポイントを整理していきましょう。
葬儀社との打ち合わせておくべき9つのポイント
一日葬の場合、お通夜がありません。そのため、告別式に必要なすべての要素を1日に集約する必要があります。打ち合わせ時に確認しておくべき項目は以下の通りです。
- 告別式の開始時間・終了予定時刻
- 火葬場の予約時間・移動手段(マイクロバス・自家用車など)
- 式次第(読経の時間・焼香の順番など)
- 会場レイアウト(祭壇・椅子の配置・受付スペース)
- 返礼品・会葬礼状の数の最終確認
- 音楽・写真スライドのデータ提出期限
- 会食の有無と人数
- お布施・心付けの準備方法
- 参列者へ事前に知らせる内容(集合時間・服装・香典辞退の有無)
特に火葬場の予約時間は変更が効きません。そのため、全体の流れはこれを中心に組まれます。
必要な持ち物
当日に慌てないために、前日までに持ち物をまとめておきましょう。
- 位牌(白木位牌・本位牌)
- 遺影写真(額付き)
- 故人の愛用品・手向けたい品物(手紙・写真・愛用品など)
- 喪服一式(靴・バッグ・黒ストッキング)
- お布施
- 香典返し・会葬礼状
- ハンカチ・ティッシュ・数珠
- 健康保険証・死亡診断書原本(火葬手続で必要になる場合)
特に遺影や位牌は式に欠かせないため、万が一忘れると式全体に影響します。
僧侶へのお布施準備
仏式一日葬の場合、僧侶へ渡すお布施の目安は以下のとおりです。
- 読経料:3万〜7万円前後
- 戒名料(必要な場合):3万〜20万円以上
- お車代:5,000〜1万円程度
- 御膳料(会食がない場合):5,000〜1万円程度
寺院によって金額の幅があるため、事前に相談しておくのが最も確実です。
参列者への連絡内容
一日葬は時間が短く、開式時間の遅れが全体に響きます。そのため、参列者には次の内容を必ず事前に共有しましょう。
- 開式(集合)時間と式場住所
- 公共交通機関・駐車場の案内
- 香典辞退の有無
- 会食の有無
- 服装:喪服または平服など
- 「開始時間に遅れないように」という注意点
会社関係や友人への連絡はLINE・メールが一般的ですが、親族には電話で伝えると安心です。


