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初めてでもわかる相続税の計算方法|相続財産額別の早見表と節税ポイント

手続き

相続税の計算方法を3ステップで分かりやすく解説します。自分のケースでいくらかかるか一目でわかる遺産額別の早見表も掲載しています。相続税の基礎控除の仕組みや、葬儀費用による節税など、相続税を損しないための重要ポイントを知りたい方は必見です。

大切な方を亡くした悲しみの中で、次に押し寄せてくるのが「税金」への不安かもしれません。

相続税は、すべての家庭にかかるものではありませんが、いざ計算しようとすると基礎控除や評価額といった難しい言葉が並び、どこから手をつければいいのか戸惑ってしまう方も多いでしょう。

本記事では、相続税の基本的な仕組みから誰でも簡単に目安がわかる早見表、そして知っているだけで税金が安くなる節税のポイントまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

相続税を払う必要があるのか知りたい方、落ち着いて次の準備を進めたい方はぜひ参考にしてみてください。

  1. そもそも相続税とは?
  2. 相続税の計算の対象となる資産
  3. 資産を洗い出す際の注意点5つ
    1. 1.預貯金や現金の基準は「亡くなった日の残高」
    2. 2.不動産は公的な評価額で計算する
    3. 3.葬儀費用として認められる具体的な範囲を把握する
    4. 4.亡くなった後に届く請求書はすべてチェックする
    5. 5.生命保険金は「非課税枠」を超えた分だけが対象
  4. 3ステップでわかる相続税の計算方法
    1. ステップ1.課税価格を算出する
      1. 相続人が2人の場合
      2. 相続人が5人の場合
    2. ステップ2.相続税の総額を算出する
    3. ステップ3.相続税の総額を「実際に相続した割合」で按分する
    4. ステップ4.各人の最終的な「納付税額」を確定させる
      1. ケース1:配偶者と子ども2人で、財産を3等分した場合
      2. ケース2:子どもAが相続を放棄し、配偶者と子どもBで半分ずつ分けた場合
  5. 相続税の早見表(概算)
    1. 配偶者ありの場合
    2. 配偶者なしの場合
  6. 相続税早見表を活用する際の注意点
  7. 「2割加算」の対象者がいないか確認する
  8. 「生命保険の非課税枠」を計算に入れる
    1. あくまで「法定相続分」で分けた場合の目安
  9. 相続税の計算で覚えておきたい節税のポイント3つ
    1. 1.配偶者の税額軽減
    2. 2.小規模宅地等の特例
    3. 3.未成年者控除・障害者控除
  10. 相続税の計算方法を正しく知り、ゆとりを持って次の一歩を

そもそも相続税とは?

相続税とは、亡くなった方(被相続人)から現金や不動産などの財産を受け継いだ際、その財産の価値に対してかかる税金のことです。

「大切な遺産を国に持っていかれるの?」と不安になるかもしれませんが、じつは相続税には「基礎控除」といった大きな非課税枠があります。

現在、日本で相続が発生した際、実際に相続税を支払っているのは全体の10%程度(10人に1人くらい)といわれています。遺産の総額が「基礎控除」の範囲内であれば、税金は1円もかからないうえ、税務署への申告も不要です。

相続税の計算の対象となる資産

相続税を計算する際は、まず亡くなった時の全財産を洗い出します。

項目内容
遺産になるもの(プラスの財産)・預貯金、現金、有価証券(株・投資信託)
・不動産(土地・建物)
・生命保険金
・死亡退職金
・家財、車、貴金属、骨董品
差し引けるもの(マイナスの財産)・借入金、ローン(住宅ローン・カードローン)
・未払いの費用(税金、医療費、公共料金)
・葬儀費用(お布施、通夜・告別式代、火葬料)
対象外のもの(非課税財産)・お墓、仏壇、仏具
・生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)

全財産を洗い出す際、すべての財産に税金がかかるわけではありません。プラスの財産から、借金や葬儀費用などのマイナス分を差し引けます。

資産を洗い出す際の注意点5つ

相続税を正確に計算するためには、まず何に税金がかかり、何が差し引けるのかを正しく仕分ける必要があります。多くの方が迷いやすい資産の洗い出しについて、特に注意すべき5つのポイントを解説します。

1.預貯金や現金の基準は「亡くなった日の残高」

銀行の預貯金は、通帳の最新の記帳額ではなく、亡くなった当日の「残高証明書」に記載された金額で計算します。

また、銀行に預けているお金だけでなく、自宅に保管していたタンス預金や、入院費の支払いのために直前に引き出した現金なども、すべて相続財産として数える必要があります。

2.不動産は公的な評価額で計算する

土地や建物の価値を、不動産屋の査定価格(時価)で計算している方も少なくありません。しかし相続税の世界では、土地は「路線価」建物は「固定資産税評価額」といった、国が決めた基準で評価します。

これらは実際の売買価格よりも低く設定されていることが多いため、まずは毎年役所から届く固定資産税の納税通知書を確認してみるのが第一歩です。

3.葬儀費用として認められる具体的な範囲を把握する

故人を送り出すための費用は、遺産総額から差し引いて節税できます。ただし、認められる範囲には決まりがあります。

差し引けるものは、お布施(戒名料・読経料)、通夜・告別式の飲食代、火葬料、タクシー代などです。「香典返し」や「四十九日法要・一周忌」にかかった費用は差し引けません。

特に領収書が出ないお布施は、金額と日付をメモに残しておくだけでも立派な証拠になります。

4.亡くなった後に届く請求書はすべてチェックする

故人が亡くなった後に支払った最後の入院費や未払いの公共料金、後から通知が来る住民税・固定資産税などは、すべて「マイナスの財産(未払金)」として遺産から差し引けます。

「亡くなった後の支払いなので関係ない」と捨ててしまわずに、すべての領収書や請求書を一つの袋にまとめて保管しておきましょう。

5.生命保険金は「非課税枠」を超えた分だけが対象

受け取った保険金はそのまま税対象になるわけではありません。保険金には「500万円×法定相続人の数」といった特別な非課税枠があります。

たとえば、相続人が3人の場合は1,500万円までが無税です。この枠を超えた金額だけをプラスの財産としてカウントすればよいため、受取額が枠内であれば、税金の上ではゼロとして扱えます。

3ステップでわかる相続税の計算方法

遺産総額が基礎控除を超えそうな場合は、以下の3つの手順で相続税を計算します。

ステップ1.課税価格を算出する

最初のステップでは、亡くなった方の財産を整理して、最終的に「いくら分に税金がかかるのか」を確定させます。

まずは土地や預貯金などの「プラスの財産」から、借金やローンなどのマイナスの財産、葬儀費用を差し引いて、純粋な財産額(課税価格)を出します。次に、そこから誰でも一律に差し引ける「基礎控除」をマイナスします。

計算式は「基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で決まります。この基礎控除を引いて、手元に残った金額(課税遺産総額)に対してのみ税金がかかる仕組みです。

また、法定相続人の数に応じて控除金額が決まるため、純粋な財産額が5,000万円だった場合でも、家族の人数によって結果が変わるのも特徴です。

相続人が2人の場合

5,000万円-(3,000万円+600万円×2)=800万円

相続人が5人の場合

5,000万円-(3,000万円+600万円×5)=-1,000万円

相続人が2人の場合は、残りの800万円に税金がかかります。一方相続人が5人の場合は、計算後の数字がマイナスなので、税金はかかりません。「小規模宅地等の特例」などを適用する場合を除いて、税務署への申告も原則不要です。

ステップ2.相続税の総額を算出する

注意したいのは、「実際に誰がいくらもらうか」に関係なく、一旦「法律で決められた割合(法定相続分)」で分けたと仮定して計算する点です。この仕組みがあることで、遺産の分け方によって税金の総額が変わらないようになっています。

例として、課税遺産総額が8,000万円、相続人が配偶者(1/2:4,000万円)・子ども2人(1/4:2,000万円ずつ)のケースで見てみましょう。

法定相続分に応じた取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円

それぞれの仮の取り分に、下の速算表の税率を当てはめて計算し、最後に全員分を合計します。

配偶者:4,000万円×20%-200万円=600万円

各子ども:2,000万円×15%-50万円=250万円

これらを合計した「600万円+(250万円×2人)=1,100万円」が、この家族が支払う「相続税の総額」です。

ステップ3.相続税の総額を「実際に相続した割合」で按分する

ステップ2で出た税金の総額を、実際に遺産を分けた割合に応じて、各相続人で割り振ります。按分とは、単に頭数で等しく分けるのではなく、受け取った遺産の重みに比例して税金も負担するという考え方です。

たとえば、一人の相続人が遺産のほとんどを受け継いだのであれば、その分だけ税金の負担割合も大きくなります。

ステップ4.各人の最終的な「納付税額」を確定させる

ステップ3で割り振られた金額から、さらに個別の状況に応じた「控除」を差し引いて、実際に銀行で支払う最終的な金額を決定します。

相続税を支払う義務があるのは、あくまで実際に財産を受け取った人です。そのため、たとえ法律上の相続人であっても、遺産を一切受け取らなかった場合や相続を放棄した場合には、税金を納める必要はありません。

例として、税金の総額が「1,500万円」だった場合は、家族でどのように財産を分けたかによって、一人ひとりの負担額は以下のように変わります。

ケース1:配偶者と子ども2人で、財産を3等分した場合

3人それぞれが均等に財産を受け取るため、税金も3分の1(500万円ずつ)負担します。

ケース2:子どもAが相続を放棄し、配偶者と子どもBで半分ずつ分けた場合

子どもAは財産をもらわないため、税金は0円です。残った二人で総額(配偶者:750万円・子どもB:750万円)を分け合います。

最後に「控除」を差し引いて完了です。

相続税の早見表(概算)

具体的にどのくらいの税金がかかるのか、以下の早見表で目安を確認してみましょう。

配偶者ありの場合

配偶者がいる場合の合計税額です。

相続財産の総額(課税価格)配偶者・子ども1人配偶者・子ども2人配偶者・子ども3人
5,000万円40万円10万円0円
6,000万円90万円60万円30万円
7,000万円160万円115万円80万円
8,000万円235万円175万円138万円
9,000万円310万円240万円200万円
1億円385万円315万円263万円
1億5,000万円920万円745万円665万円
2億円1,670万円1,350万円1,217万円
3億円3,460万円2,860万円2,540万円
5億円7,605万円6,555万円5,962万円
10億円1億9,750万円1億7,810万円1億6,635万円
20億円4億6,645万円4億3,440万円4億1,182万円

今回の計算では、もっとも一般的なケースとして「配偶者が法定相続分(2分の1)の財産を受け取り、配偶者控除を適用して納税額が0円になった」前提で算出しています。

実際には、ここからさらに「未成年者控除」や「障害者控除」といった個別の優遇制度が適用される場合もあり、表の金額よりもさらに税負担が軽くなる可能性があります。

また、相続税には「基礎控除」があるため、子どもの人数(法定相続人の数)が増えるほど非課税枠が広がり、同じ遺産額であっても家族全体の納税額は少なくなっていくのが特徴です。

配偶者なしの場合

配偶者がいない場合の合計税額です。

相続財産の総額(課税価格)子ども1人子ども2人子ども3人
5,000万円160万円80万円20万円
6,000万円310万円180万円120万円
7,000万円480万円320万円220万円
8,000万円680万円470万円330万円
9,000万円920万円620万円480万円
1億円1,220万円770万円630万円
1億5,000万円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円
3億円9,180万円6,920万円5,460万円
5億円1億9,000万円1億5,210万円1億2,980万円
10億円4億5,820万円3億9,500万円3億5,000万円
20億円10億820万円9億3,290万円8億5,760万円

上記の早見表は、法定相続分で分割した場合です。「未成年者控除」や「障害者控除」、「相続税の2割加算」(次項参照)などは考慮していません。

相続税早見表を活用する際の注意点

相続税早見表を活用する際は、いくつか注意しておきたいポイントがあります。主な内容を解説します。

「2割加算」の対象者がいないか確認する

相続税の早見表を確認する際に特に注意が必要なのが「2割加算」のルールです。

相続税早見表は、配偶者や子どもが財産を受け継ぐことを前提に作成されています。もし、亡くなった方の兄弟姉妹や、孫(代襲相続人を除く)、あるいは友人が財産をもらう場合は、その人の分だけ税額が「1.2倍」に増額されます。

具体的にこの加算の対象となるのは、主に以下のような方々です。

・兄弟姉妹、および甥・姪

・代襲相続人ではない孫

・被相続人の養子になった孫

・友人・知人、および内縁の配偶者(親族以外)

ここでいう「代襲相続人ではない孫」とは、本来相続人になるはずだった子(または兄弟姉妹)が、被相続人よりも先に亡くなっているなどの理由で代わりに相続権を得た「代襲相続人」としての孫以外のケースを指します。

このルールは、故人と特に血縁の近い親族(配偶者、親、子)以外が財産を受け取る際に適用されるものです。たとえば、計算上の本来の税額が100万円であったとしても、実際には120万円を納めなければなりません。

相続人の中に、配偶者や親、子ども以外の方が含まれている場合は、この加算を考慮して資金を準備する必要があります。

「生命保険の非課税枠」を計算に入れる

受け取った生命保険金がある場合、その全額を「遺産額」として早見表に当てはめる必要はありません。

保険金には「500万円×法定相続人の数」といった非課税の枠があるため、その枠内に収まる金額であれば早見表の計算に含める必要はないのです。枠を超えた分だけを、財産としてカウントしましょう。

あくまで「法定相続分」で分けた場合の目安

相続税早見表は、あくまで「法律で決まった割合(半分ずつなど)」で平等に分けたと仮定した概算です。実際には「一人が不動産をすべて継ぐ」「特定の人が現金を多くもらう」といった分け方をすることが多いでしょう。

その場合、家族全体で払う総額は大きく変わりませんが、相続人それぞれが負担する金額には差が出てきます。

相続税の計算で覚えておきたい節税のポイント3つ

相続税には、知っているだけで納税額を劇的に減らせる救済措置のような制度があります。重要な制度を3つ紹介します。

1.配偶者の税額軽減

故人の配偶者(夫や妻)が遺産を受け取る場合、「1億6,000万円」あるいは「配偶者の法定相続分」のどちらか多い金額までであれば、相続税は一切かかりません。

これは、長年ともに暮らし財産形成に協力してきた配偶者の生活を守るための非常に強力な軽減制度です。この制度があるため、多くのケースで配偶者の税負担はゼロになります。

2.小規模宅地等の特例

亡くなった方が自宅として使っていた土地を、同居していた家族などが引き継いで住み続ける場合に、その土地の評価額を最大80%(330㎡まで)カットできる制度です。

たとえば、5,000万円と評価された土地でも、この特例が適用されれば1,000万円として計算できるため、相続税の総額を劇的に下げられます。遺産の中に「不動産(自宅)」が含まれている場合は、この特例が使えるかどうかが最大の節税ポイントとなるでしょう。

3.未成年者控除・障害者控除

相続人が未成年である場合や、障害をお持ちである場合に適用される控除です。これからの長い人生を支えるための配慮として、満18歳(成人年齢)に達するまでの年数や、障害の程度に応じて、計算された税金から直接一定額を差し引けます。

これらの控除は、本人の税額から引ききれなかった場合、他の相続人の税額から差し引けるケースもあるため、家族全体での節税につながります。

相続税の計算方法を正しく知り、ゆとりを持って次の一歩を

相続税の計算は一見すると非常に複雑ですが、一つひとつ順を追って整理していくことで、過度に恐れる必要がないことがお分かりいただけたかと思います。

まずは、わが家が基礎控除の枠内なのか、それとも申告が必要なケースなのかを正しく見極めることが大切です。もし納税が必要な場合でも、今回紹介した「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などを活用することで、負担を最小限に抑えられる可能性があります。

もし計算に迷ったり、書類の収集で立ち止まってしまったときは、プロに相談するのがおすすめです。

あんしん祭典では、相続手続きをはじめ、大切な方を亡くされた方へのアフターフォローも提供しています。

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