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葬儀辞典

死亡後、口座凍結解除までの日数は?必要な手続きと凍結前にすべきこと

手続き

口座凍結の解除には、書類提出から2〜3週間、準備期間を含めると約1ヶ月かかります。本記事では、凍結解除までの具体的な流れや必要書類をケース別に分かりやすく解説。急ぎで預金を引き出せる仮払い制度の仕組みや生前にできる対策など、突然の口座凍結にも焦らず対処するためのポイントをまとめて紹介します。

大切な家族とのお別れ後、避けては通れないのが銀行口座の相続手続きです。

役所に死亡届を出したからといって、自動的に口座が凍結するわけではありません。しかし、銀行が亡くなった事実を確認した瞬間に、預金の権利を守るために口座凍結が行われます。

口座が凍結されると、公共料金の自動引き落としやクレジットカードの決済もすべて止まってしまいます。葬儀費用や当面の生活費が必要な場面で、お金が動かせないと焦ってしまうかもしれません。

本記事では、凍結解除までにかかる正確な日数や、手続きの具体的な流れ、準備すべき書類について丁寧に解説します。初めての手続きで不安な方も、まずは口座凍結に関する全体のスケジュールを把握することから始めてみましょう。

口座凍結の解除には「2〜3週間」かかる

銀行の窓口に書類を持っていけば、その場ですぐに凍結が解除されると考えている方も少なくありません。しかし、銀行窓口で書類を提出してから実際に払い戻しが行われるまでには、(書類提出から)おおむね1〜2週間、郵送の場合は2〜3週間ほどです。

銀行の内部では、提出された膨大な書類の内容が正しいか、他に相続人がいないかなどを慎重に審査します。ミスがあれば書類の再提出を求められるため、さらに日数が延びることも珍しくないでしょう。

また、役所を回って戸籍謄本などを揃える時間を含めると、実際には1ヶ月近くかかるケースもゼロではありません。銀行へ書類を出しに行く日だけでなく、準備期間にも余裕を持っておくことが大切です。

凍結解除までの流れと必要書類

口座凍結から解除までは、複数のステップを一つずつ踏んでいく必要があります。口座凍結を解除するまでの流れと必要書類を紹介します。

なお「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本」「相続人の戸籍謄本」については、法務局で発行できる「法定相続情報一覧図」という書類を知っておくと便利です。亡くなった方と相続人の関係を一目でわかるように図式化した公的な証明書で、束になった戸籍謄本の代わりになります。

1.銀行に死亡の連絡(口座凍結)

遺族から銀行の窓口へ連絡を入れることで、正式に口座が凍結されます。電話一本で取引が止まるため、まずは主要な取引銀行へ一報入れましょう。

このとき、相続手続きに必要な「案内書類」を郵送してもらうよう伝えると、スムーズに手続きを進められます。

2.必要書類の収集

銀行から届いた案内を見ながら、必要な書類を揃えていきます。相続の形によって準備するものが変わるため、自身のケースに当てはめて確認してみましょう。一般的に必要となる書類は以下のとおりです。

相続人が一人の場合

相続人が一人の場合は、関係を示すための基本的な書類を準備します。

必要な書類備考
相続届各銀行の指定用紙
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本途切れないよう連続して揃える必要がある
相続人の戸籍謄本現在の状況を確認するため
相続人の印鑑証明書実印が登録されていることを証明

他のケースに比べて、比較的少ない書類で済むのが特徴です。

相続人が複数の場合(遺産分割協議の場合)

相続人が複数いる場合に必要な書類を紹介します。

必要な書類備考
相続届各銀行の指定用紙
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本途切れないよう連続して揃える必要がある
相続人全員の戸籍謄本全員分が必要
相続人全員の印鑑証明書全員分が必要
遺産分割協議書誰がいくら引き継ぐか、全員が署名・捺印したもの

話し合いで預金の分け方を決めた場合は、全員の合意を証明する書類が加わります。

遺言書がある場合

有効な遺言書がある場合は、法的な意思が最優先されるため、戸籍謄本の範囲が少し限定されるのが一般的です。

必要な書類備考
相続届各銀行の指定用紙
亡くなった方の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)亡くなった事実を確認するため
口座を引き継ぐ相続人の戸籍謄本現在の氏名などを確認
口座を引き継ぐ相続人の印鑑証明書受取人の実印を証明
遺言書原本を提示。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」という手続きが済んでいる必要あり

これらの書類に加えて、亡くなった方の通帳やキャッシュカード、貸金庫を利用している場合はその鍵なども用意しておくとスムーズです。

3.銀行指定の払戻依頼書への記入・捺印

銀行から送られてきた専用の書類(相続届や払戻依頼書など)に必要事項を記入します。

相続人全員の署名と実印での捺印が必要になるため、遠方の親族がいる場合は郵送でのやり取りに時間がかかります。

4.解約払い戻しもしくは口座名義人の変更

書類一式を銀行窓口に提出、または郵送で届けます。審査が無事に終わると、預金が指定した相続人の口座へ振り込まれる「解約払い戻し」あるいは「名義変更」が行われます。

5.口座凍結の解除

払い戻しが完了した時点で、その口座に関する相続手続きは終了です。解約した場合は通帳にパンチ穴が開けられ、遺族の手元に戻されます。

これで一連の凍結解除の手続きがすべて完了したことになります。

口座凍結後にお金を引き出したい場合は?

「口座が凍結されて葬儀費用が払えない」と慌ててしまう方もいらっしゃいますが、現在は「預貯金の仮払い制度」という仕組みが用意されています。これは、相続人全員の話し合いが終わる前であっても、一定の金額までなら銀行から預金を引き出せる便利な制度です。

仮払い制度で引き出せる金額には、以下のルールがあります。

口座ごとの上限額:相続開始時の預金額×3分の1×払い戻しを受ける相続人の法定相続分

金融機関ごとの上限額:最大150万円まで

仮払い制度を利用するためには、以下の書類を揃えて銀行の窓口で手続きを進めます。

・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・手続きをする方の印鑑証明書と実印

・銀行指定の請求書

書類を揃える手間はかかりますが、通常の凍結解除を待つよりも早く現金を受け取れる可能性が高くなります。まずは取引先の銀行へ、仮払いを希望する旨を相談してみてください。

凍結解除に費用はかかる?

「銀行の口座を解約したり、名義を変えたりするのに高い手数料がかかるのでは?」と心配される方もいるでしょう。

しかし結論からいうと、口座凍結するとき銀行に支払う手数料はありません。

ただし、戸籍謄本の取得費用は1通あたり450円〜750円ほど、印鑑証明書の取得費用は300円〜400円ほどといった、書類の取得には費用がかかります。また、司法書士や行政書士に手続きを丸ごと依頼する場合は、別途数万円から数十万円の報酬が必要です。

口座が凍結する前にできる4つの対策

万が一の際に家族が慌ててしまうのを防ぐため、生前からできる準備が4つあります。家族への思いやりとして非常に有効な備えを紹介します。

1.手元に「万が一のための現金」を確保しておく

口座が凍結されると、まとまった現金を手にするまでに数週間の時間がかかります。葬儀費用の内金や当面の生活費として、数十万円程度の現金を自宅の金庫などに確保しておくと安心です。

ただし、多額の現金を置くのは防犯上のリスクもあるため、あくまで「数日〜数週間分」を目安にしましょう。

2.預金口座を集約し、通帳の記帳を済ませておく

利用していない休眠口座などは早めに解約し、メインで使う口座を絞り込んでおきましょう。また、こまめに通帳を記帳しておくことで、家族が資産状況を一目で把握できます。

特にネット銀行などの「目に見えない口座」については、ログイン情報や存在自体をエンディングノートなどに記しておくことが大切です。

3.公共料金等の引き落とし口座を変更または把握する

電気、ガス、水道などの公共料金やクレジットカードの引き落とし口座を把握しておきましょう。凍結後に支払いが滞り、ライフラインが止まってしまうのを防ぐためです。

可能であれば、あらかじめ家族名義の口座へ変更しておくか、どの支払いがどの口座から出ているのかを一覧にしておくと、手続きがスムーズになります。

4.代理人カードや「予約型代理人指名」などを検討し、暗証番号を共有しておく

入院や認知症などで銀行へ行けなくなった場合に備え、あらかじめ「代理人カード」を作成しておくのも一つの方法です。信頼できる家族に暗証番号を共有しておくことで、いざという時に生活費などを引き出せます。

ただし、亡くなった後の引き出しは他の相続人とのトラブルに発展する可能性があるため、あらかじめ家族全員で方針を話し合っておくのが理想的です。

口座凍結は「事前準備」と「仮払い制度」で賢く乗り切る

銀行口座の凍結は、大切な財産を守るために必要な仕組みですが、何の備えもないまま直面すると大きな負担となります。口座凍結の解除までには、書類を揃える期間を含めると1ヶ月近くかかるケースが多いという現実を知っておきましょう。

もし凍結後にお金が必要になった場合は、無理に全てを解除しようと焦らず、まずは「仮払い制度」を活用して必要な分を確保するのが賢明です。そして何より、元気なうちから口座を整理し、家族と情報を共有しておくことが、最大の安心材料となります。

大切な方を亡くした悲しみの中で、慣れない手続きを進めるのは心身ともに大変なことです。一人で抱え込まず、必要に応じて銀行の担当者や専門家を頼りながら進めていきましょう。

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