血縁者とは、生物学的または婚姻によってつながった親族のことです。この記事では血族・姻族・親等の違いや数え方をわかりやすく解説しています。相続や親族関係の整理が必要な方におすすめの記事です。
血縁者とは、生物学的なつながりや婚姻によって成立する親族関係を指します。相続や扶養、忌引きなどの場面では、この血縁関係をもとに判断されるため、正しく理解しておくことが大切です。
とはいえ、「血族と姻族ってどう違うの？」「親等ってどうやって数えるの？」と、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、血縁者の範囲や親族との違い、親等の数え方についてわかりやすく解説します。相続や親族関係の整理が必要な方、法的な基準を知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
血縁者とは
血縁者とは、血のつながりがある人のことです。生物学的な血のつながりのある人を指して「自然血族」と呼ばれます。また、婚姻によって血縁関係になった人も含まれ、これは「法定血族」として扱われます。
自然血族の例としては、父母・祖父母・兄弟姉妹・子・孫などが挙げられます。法定血族には、配偶者の親や兄弟姉妹、養子縁組によってつながった人などがこれにあたります。
血族とは
血族とは、生物学的なつながりにある人、または法律上の手続きによって血縁関係が認められた人のことを指します。親や子、兄弟姉妹、祖父母、孫などが血族にあたります。
ただし、非嫡出子と父親は、自動的には血族とされません。血族関係を認めてもらうには、父親による「認知」が必要になります。一方で、非嫡出子は母親とは出生の時点で血族となります。
姻族とは
姻族とは、婚姻によって生じた親族関係のことを指します。血縁関係がなくても、血族の配偶者や配偶者の血族は姻族とされます。
たとえば、妻の両親、夫の兄弟、義理の姉妹、子の配偶者などが姻族にあたります。
また、再婚相手の連れ子は婚姻によって姻族となりますが、養子縁組を行うと血族に変わります。
親族とは
親族とは、配偶者に加え、6親等以内の血族および3親等以内の姻族のことです。このように親族の範囲は法律で明確に定められており、法的な定義のない「親戚」とは異なります。
6親等以内の血族には、以下のような人が含まれます。
- 1親等：父母・子
- 2親等：祖父母・孫・兄弟姉妹
- 3親等：曾祖父母・ひ孫・おじ・おば・甥・姪
- 4親等：いとこ・高祖父母・祖父母の兄弟姉妹・玄孫・甥や姪の子
- 5親等：いとこの子・高祖父母の親・高祖父母の兄弟姉妹・来孫・祖父母の甥や姪・いとこの子・甥や姪の孫
- 6親等：高祖父母の祖父母・祖父母の親の兄弟姉妹・高祖父母の兄弟姉妹の子・昆孫・祖父母の甥や姪の子 など
3親等以内の姻族には、次のような人が含まれます。
- 1親等：配偶者の父母
- 2親等：配偶者の祖父母・義理の兄弟姉妹
- 3親等：配偶者のおじとおば・義理の甥と姪
親等とは
親等とは、親族関係の遠近を示すための単位です。親子を1親等とし、そこから一人挟むごとに1親等ずつ増えて数えます。たとえば、自分の祖父母は2親等、兄弟姉妹も2親等となります。
なお、自分自身と配偶者との間には親等は存在しません。どれほど近しい関係であっても、親等では数えない点に注意が必要です。
直系と傍系
血族には「直系」と「傍系」の2種類があります。直系とは親子関係に連なる関係であり、傍系とは直系から枝分かれした横の関係を指します。
直系の例としては、以下のような人が含まれます。
- 父母
- 祖父母
- 子
- 孫
傍系の例には、次のような人が該当します。
- 兄弟姉妹
- おじ・おば
- いとこ
尊属と卑属
血族は、世代の上下によって「尊属」と「卑属」に分けられます。尊属は自分より上の世代、卑属は自分より下の世代にあたる血族のことを指します。
尊属の例としては、以下のような人が含まれます。
- 父母
- 祖父母
- 曾祖父母
卑属の例には、次のような人が該当します。
- 子
- 孫
- 曾孫
相続では親族や親等を把握しよう
親族や親等といった関係性は、日常生活ではあまり意識する機会がありません。しかし、相続や忌引きなどの場面では、親等を正確に理解して手続きを進めなければなりませんいざというときに慌てないよう、あらかじめ把握しておくことが大切です。
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