お清め塩とは、お通夜や葬儀の参列者に配られる小さな塩のことです。この記事では、お清め塩の由来や正しい使い方、最近見かけなくなった理由について解説します。お清め塩は食べても良いのか、余ったらどうすればいいのかなど、よくある疑問にも答えます。

お清め塩とは、お通夜や葬儀の参列者に配られ、家に帰る前に身を清めるために使うものです。

お清め塩には正しい使い方がありますが、よくわからないという方もいるでしょう。また、故人を塩で清めることに抵抗がある、という方もいるかもしれません。

この記事では、お清め塩の由来や正しい使い方、最近見かけなくなった理由について解説。お清め塩が余ったときや、かけ忘れたときの対処法など、よくある疑問にも答えます。

お清め塩とは

お清め塩とは、会葬者に渡される小さな塩のことです。お通夜や葬儀の後に、自宅へ入る前に身を清めるために使います。

古来、日本では死を穢れ（けがれ）とみなし、塩で清めるという風習がありました。そのため、葬儀に参列した際に持ち帰った穢れを祓う必要があると考えられていたのです。

しかし、お清め塩はもともと神道の考え方に基づくもので、ほかの宗教では配らないケースも増えてきています。その理由は、後ほど詳しく解説します。

お清め塩の由来

お清め塩は、神道の考え方に由来するものです。神道では、死は穢れとされており、その穢れを祓うために塩が使われます。

また、古来から日本では、塩には浄化や殺菌の力があると考えられてきました。そのため、葬儀の場だけでなく、疫病や天災などの災いがあった際にも、塩で身を清めるという風習があったのです。

お清め塩の使い方

お清め塩は、お通夜や葬儀の後に自宅へ持ち帰った穢れを祓うために使います。ここでは、お清め塩を使う手順や、集合住宅での使い方について解説します。

玄関前で身体に振りかける

お清め塩は、斎場から帰り、自宅の玄関をまたぐ前に使います。これは、家の外で穢れを祓い、家の中に持ち込まないようにするためです。まずは胸、背中、足元の順番で塩をかけていきましょう。

お清め塩を払い、落ちた塩を踏む

お清め塩をかけ終わったら、身体についた塩を手で払い落とします。そして、払い落として地面に落ちた塩を踏んでから、自宅の玄関をまたぎましょう。

塩が身体に残ったままだと、塩ごと穢れを家に持ち込んでしまうことになります。塩を落とし、最後に踏むことで、穢れを完全に祓えると考えられています。

集合住宅の場合

集合住宅の場合、共用部分が汚れるため、玄関前で塩をかけることに抵抗がある人もいるでしょう。しかし、玄関に入ってからお清め塩をかけても、穢れを家の中に持ち込んでしまいます。

そのため、建物のエントランスに入る前や、葬儀場を出てすぐなどのタイミングでかけると良いでしょう。これらの方法なら、ほかの人の迷惑になりません。

お清め塩を見なくなっている理由

近年、お通夜や葬儀でお清め塩を見かける機会が減ってきています。その背景には、宗教観の変化や、死に対する考え方の多様化があります。

そもそもお清め塩は神道のもの

お清め塩は、死を穢れとする神道の考え方に由来するものです。そのため、神道以外の葬儀では、お清め塩を配らないことが増えています。

仏教では、生と死を明確に分けることはしません。死を穢れとする考え方も、仏教の教えに合いません。特に浄土真宗では、故人はすぐに仏様の元へ行くと考えられているため、清める必要はないとされています。

ただ、これはあくまでも考え方の話であり、仏教の葬儀でもお清め塩を配ることはあります。

キリスト教では、塩で穢れを祓うという考え方自体がないため、お清め塩は配りません。

死を穢れとする見方を疑問視する人も

死を穢れとし、塩で清めるという考え方自体に、疑問を持つ人もいます。故人となった大切な人を塩で清めたり、祓ったりすることに、抵抗を感じる人もいるでしょう。

神道における穢れとは、死そのものを指し、死んだ人自体を指すわけではありません。しかし、そうと理解していても、塩で清めることに抵抗を感じる人もいるでしょう。

このように、抵抗感があるなら無理にお清め塩をかける必要はありません。

お清め塩に関するよくある質問

お清め塩について、よくある質問とその回答をまとめました。お清め塩がない場合や、余った場合の対処法などについて解説します。

お清め塩がない場合は？

お清め塩は神道の考え方に基づくものです。神道以外の葬儀では、そこまで気にする必要はありません。どうしても気になるなら、通常の食塩で代用することも可能です。

お清め塩は食べてもいい？

お清め塩には、乾燥材が入っていることもあります。食べてはいけません。なるべく余らないように使い切り、余ってしまった場合は処分しましょう。

お清め塩の捨て方は？

余ったり使わなかったりしたお清め塩は、生ごみなどと一緒に可燃ごみとして処分しましょう。捨てたからといって、罰が当たるようなことはないので安心してください。気になる場合は、庭や玄関前に撒いても良いでしょう。

お清め塩をかけ忘れたら？

神道以外の場合、お清め塩をかけ忘れても、特に気にする必要はありません。もし気になるのであれば、もう一度喪服に着替えて、玄関の外に出てから正しい手順でお清め塩をかけ直すと良いでしょう。

神道以外ではお清め塩を気にしすぎず

お清め塩は、お通夜や葬儀の後に自宅へ入る前に使い、身体についた穢れを祓うために使います。かける順番は胸→背中→足元です。その後、身体についた塩を手で払い、地面に落ちた塩を踏んでから、玄関をまたぎます。

お清め塩は、もともと神道の考え方に由来するものです。そのため、神道以外の葬儀では、お清め塩について、そこまで気にしなくても良いでしょう。自分が喪主で、気になる方は、葬儀社にお清め塩をどうするか相談してみてください。

あんしん祭典でも、お清め塩をどうするかといった小さなことから、葬儀や法事をどうするかといった大きなことまで、弔事にまつわるさまざまな相談にお答えしています。

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