納棺とは、故人を棺に納める儀式です。本記事では、納棺の流れや費用ついて解説します。納棺の意味や流れを知りたい方、納棺に立ち会いたいがどうしたらいいかわからないという方におすすめです。
納棺とは、故人のご遺体を棺に納める儀式です。遺族にとっては故人の身体に触れられる最後の機会です。
大切な方を亡くされた悲しみの中、葬儀の準備を進めるのは大変です。「納棺って何をしたらいいんだろう?」「どんなことに気を付ければいいんだろう?」と不安に思っている方もいるかもしれません。
本記事では、納棺の流れや費用、かかる時間、服装などについて解説します。納棺の意味や具体的な流れ、注意点などがわかります。納棺に立ち会いたいと考えている方、葬儀の準備に戸惑っている方は、ぜひ参考にしてください。
納棺とは
納棺とは、故人を棺に納める儀式です。故人の尊厳を守り、安らかに送り出すために行われます。
納棺では故人の身体を清め、死装束を着せ、棺に納めます。納棺が済むと火葬が終わるまで、ご遺体を棺から出すことはありません。遺族にとっては、ご遺体に直接触れられる最後の機会です。故人の魂が安らかに旅立てるように、心を込めて行いましょう。
納棺師とは
納棺師とは、納棺の儀式を執り行う専門家です。ご遺体の変化に対応するための技術や知識を持っています。
納棺師は、湯灌(ゆかん)で故人の身体を清め、死化粧を施し、死装束への着替えや納棺、副葬品の整理などを行います。これらの一連の作業について、納棺に立ち会う遺族に説明しながら進めてくれるでしょう。
近年では、映画「おくりびと」の影響もあり、広く知られるようになりました。
納棺のタイミングとかかる時間
納棺は、一般的にお通夜の前に行われます。納棺にかかる時間は、内容にもよりますが、30分から1時間程度が目安です。お通夜は18時から19時頃に始まることが多いため、納棺は14時から15時頃に行われることが多いです。
納棺に立ち会う人
昔は家族で納棺をするのが一般的でしたが、近年では納棺師に依頼するケースがほとんどです。ただ、納棺師に依頼する場合でも、納棺に立ち会うことはできます。
納棺に立ち会うのは、原則として遺族です。配偶者や子ども、孫などの近親者が立ち会います。友人・知人や仕事関係者などは、基本的に立ち会いません。
納棺に立ち会う際の服装
納棺後はそのままお通夜が始まるケースが多いです。そのため、納棺には喪服で参加するのが望ましいとされています。自宅で納棺を行う場合は平服でも構いませんが、お通夜の前に喪服に着替える手間があります。
納棺にかかる費用
納棺にかかる費用は、10万円前後が目安とされています。ただし、これはあくまで平均的な金額です。内容や地域、葬儀社によって変動します。湯灌(ゆかん)と呼ばれる故人の身体を清める儀式を行うかどうかや、使用する棺の種類、死装束の質などによって費用は変わってきます。
納棺費用の内訳に含まれるのは、主に湯灌や死化粧、死装束などの費用などです。その他、副葬品を納めるための費用や、納棺を行う場所までの搬送料などが含まれることもあります。これらの項目は、葬儀社のプランによってセットになっている場合と、オプションとして追加できる場合があります。
納棺の費用を抑えたい場合、次のような方法を検討してみましょう。
- 湯灌を行わず清拭(せいしき)のみにする
- 死装束をシンプルなものにする
- 遺族で化粧をする
- 複数の葬儀社のプランを比較する
納棺前の流れ
人が亡くなった後は、いくつかの工程を経て、納棺・お通夜へと進んでいきます。ここでは、納棺前に行われる一連の流れについて、順を追って説明します。
1.お亡くなりと死亡判定
人が亡くなると、亡くなった場所にかかわらず、医師による死亡判定を受けなければなりません。これは、法的に必要な手続きです。
死亡判定は、生命活動が完全に停止したことを医学的に確認する行為です。死亡判定後に受け取る死亡診断書は死亡届の提出時に必要なので、大切に保管しておきましょう。
2.末期(まつご)の水をとる
末期の水とは、故人の唇を水で湿らせる儀式です。故人の喉の渇きを癒し、安らかに旅立ってほしいという願いを込めて行われます。
末期の水をとる際は、割り箸の先に水で脱脂綿を巻きつけたものを使います。脱脂綿をお椀に汲んだ水につけ、故人の唇に当て、左から右に向かってなぞります。順番は故人との関係性が近い順です。配偶者、子ども、兄弟姉妹、子どもの配偶者というような順番で進めていきます。
3.看護師によるエンゼルケア
エンゼルケアとは、故人の身体を清め、整える処置のことです。病院で亡くなった場合、看護師により行われることが多いです。
看護師によるエンゼルケアでは、アルコールによる清拭や口腔内の洗浄、便の処置などが行われます。これは感染症を予防するためにも大切な処置です。
エンゼルケアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
4.ご遺体の搬送・安置
エンゼルケアが終わると、ご遺体は安置場所へ搬送されます。安置場所は、自宅または葬儀場などが一般的です。
搬送は、葬儀社が手配した寝台車などで行われます。安置場所では、ご遺体を布団や安置用のベッドなどに寝かせます。
病院にご遺体を安置しておけるのは半日ほどです。病院で亡くなった場合は、早めに安置場所を決め、搬送の手配をしましょう。
納棺の流れ
納棺は、遺族が故人とのお別れをするための大切な時間です。納棺ではどのようなことをするのか、順を追って説明します。
1.納棺師によるエンゼルケア・湯灌(ゆかん)
納棺師によるエンゼルケアは、宗教儀礼に沿って進められます。エンゼルケアの工程として、湯灌(ゆかん)が含まれることもあります。
湯灌は、故人の身体をぬるま湯で沐浴させ、洗い清める儀式です。硬直をほぐすためのマッサージも行われます。ご遺体をマッサージや沐浴でケアしてあげることは、故人の尊厳を保ち、遺族の心のケアにもつながります。
清拭や湯灌でご遺体を清めた後は、生前の元気な状態に近づけるために、死化粧を施します。
2.死装束(しにしょうぞく)を着せる
死装束とは、故人が身につける衣装です。故人がこの世から安らかに旅立つことを祈って着せられます。白い着物が一般的ですが、近年はドレスや故人が生前気に入っていた洋服など、死装束も多様化しています。
3.ご遺体を納める
死装束を着せた後、ご遺体を棺に納めます。納棺後は火葬が終わるまで、ご遺体を棺から出すことはありません。
納棺師に手伝ってもらいながら、遺族で納棺することもできます。故人の身体に触れられる最後の機会なので、悔いが残らないよう丁寧に行いましょう。
4.副葬品を納める
副葬品とは、故人が生前愛用していた物や、故人の旅立ちを彩る品々のことです。故人の写真、手紙、花などが一般的です。
なお、燃えない物や環境に悪影響を与える物などは、副葬品として納められません。たとえば金属類やプラスチック製品などです。お菓子を入れる場合は、袋や容器から出して納めましょう。果物も、水分が多く不完全燃焼の恐れがあるため避けます。
また、書籍やぬいぐるみなどは可燃物ですが、酸素不足の原因になったり燃え残ったりする恐れがあるため、避けた方が良いでしょう。
副葬品として何を納めるか、葬儀社に相談してから決めるのが確実です。
納棺は故人に触れられる最後の機会
納棺が終わると、ご遺体を棺から出すことは基本的にありません。納棺は遺族にとって、故人に直接触れ、お別れを告げられる最後の機会となります。故人の手を握ったり顔を見つめたりしながら、生前の思い出を振り返り、感謝の気持ちを伝える大切な時間となるでしょう。
心残りなく故人を送り出すためには、納棺師のサポートを受けながら納棺を行うことをおすすめします。納棺師は納棺の各工程について説明しながら、儀式を丁寧に進めてくれるでしょう。
あんしん祭典では、ご遺体の納棺時に湯灌(ゆかん)を行っています。ご遺体を沐浴させる湯灌を通して、この世での汚れを清めるとともに、故人を労われると考えています。
大切な方をしっかりと労わってあげたい、故人様をきちんとお見送りしたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。