お彼岸とは春分・秋分を中心としたご先祖様を供養するための期間です。本記事では2025年以降のお彼岸の期間、やるべきこと、避けるべきとされる行動を解説。お彼岸の基本やマナーを知りたい方におすすめです。

お彼岸は、春分の日と秋分の日を中心とした7日間の期間です。ご先祖様への感謝を伝え、故人を偲ぶための大切な時期です。仏壇やお墓をきれいにし、お参りをするのが日本の伝統となっています。

しかし、いざお彼岸を迎えるとなると、「具体的にいつからいつまで？」「何をすればいいの？」「これってやっても大丈夫？」など、意外と知らないことや不安に思う点も多いのではないでしょうか。

この記事では、お彼岸の期間や意味、お墓参りの方法などのやるべきことから、お見舞いや結婚式など避けた方が良いとされる行動とその理由まで、わかりやすく解説します。お彼岸の基本を知りたい方、過ごし方やマナーに自信がない方は、ぜひ最後までお読みください。

お彼岸とは

お彼岸とは、春分の日と秋分の日を中日（ちゅうにち）とした、前後3日間を含む合計7日間のことです。この時期には、ご先祖様への感謝を伝え、故人を偲ぶために、仏壇の掃除やお墓参りなどを行うのが習わしとなっています。

お彼岸の由来は仏教の教えにあります。仏教では、お彼岸は「此岸（しがん）」と呼ばれる迷いや煩悩のあるこの世から、「彼岸（ひがん）」という悟りの世界へ到達するための修行期間とされています。太陽が真東から昇り真西に沈む春分と秋分の日は、彼岸に最も通じやすいと考えられ、この時期に仏様の供養をするようになりました。これは、日本独自の仏教行事として古くから根付いています。

現代においてお彼岸は、ご先祖様を敬い、亡くなった大切な人を心静かに思い出すための期間です。また、普段は離れて暮らす家族や親戚が集まる良い機会でもあり、世代を超えて絆を深める役割も担っています。

お彼岸の時期

お彼岸は年に2回、春と秋に訪れます。期間の計算方法は、国民の祝日である「春分の日」と「秋分の日」をそれぞれ中日（ちゅうにち）とし、その前後3日間を加えた合計7日間です。

2025年の場合、春分の日は3月20日です。春のお彼岸は3月17日から3月23日までの7日間です。また、2025年の秋分の日は9月23日です。秋のお彼岸は、9月20日から9月26日までの7日間となります。

参考までに、2026年から2040年までのお彼岸の中日（春分の日・秋分の日）は以下の通りです。なお、春分の日と秋分の日はその前年に正式決定となるため、下記はあくまでも予測です。

• 2026年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2027年：春 3月18日～3月24日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2028年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月19日～9月25日
• 2029年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2030年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2031年：春 3月18日～3月24日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2032年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月19日～9月25日
• 2033年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2034年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2035年：春 3月18日～3月24日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2036年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月19日～9月25日
• 2037年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2038年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2039年：春 3月18日～3月24日 / 秋 9月20日～9月26日
• 2040年：春 3月17日～3月23日 / 秋 9月19日～9月25日

お彼岸にやるべきこと

お彼岸は、ご先祖様への感謝を表し、故人を偲ぶための大切な期間です。ここでは、お彼岸にやるべきこと、どのようにご先祖様を供養すればいいのかを紹介します。

仏壇や仏具の掃除

ご先祖様が宿るとされる仏壇や仏具をきれいにすることで、感謝の気持ちを示しましょう。心を込めてきれいにすることで、ご先祖様もきっと喜んでくれます。

掃除の際は、毛先の柔らかいハタキや布で埃を払い、傷つけないよう注意しましょう。仏具は専用のクロスやクリーナーで磨くと輝きを取り戻します。

お墓掃除とお墓参り

お墓はご先祖様が眠る大切な場所です。きれいに掃除してお参りすることは、供養の基本となります。家族揃ってお墓を訪れ、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えたり、近況を報告したりしましょう。

掃除ではまず合掌礼拝し、敷地内の雑草を抜き、落ち葉などを集めます。墓石はスポンジやタオルで水洗いし、汚れがひどい場合は墓石用洗剤を使います。

お供え物には、生花や線香、ろうそく、きれいな水、故人が好んだ飲食物などを用意しましょう。ただし、カラスなどに荒らされないよう、食べ物のお供えは持ち帰るのがマナーです。

他家へのお参り

生前お世話になった方や、特に親しかった方が亡くなっている場合、お彼岸の時期にその方のお墓や仏壇へお参りしましょう。遺族への挨拶も兼ねて訪問し、故人を共に偲ぶ気持ちを伝えることは、互いの慰めにもなるでしょう。

他家へお参りする際は、事前に連絡を入れて、先方の都合を確認するのがマナーです。お供え物には、日持ちのする菓子折りや果物、線香、ろうそくなどが適しています。服装は、派手すぎない落ち着いた色合いの平服もしくは私服を選びます。

彼岸会への参加

彼岸会（ひがんえ）とは、多くの寺院でお彼岸の期間中に行われる合同法要のことです。僧侶による読経を聞き、仏教の教えに関する法話に耳を傾けます。ご先祖様の供養になるとともに、自身の心を見つめ直す良い機会でもあります。

参加を希望する場合は、菩提寺（ぼだいじ）や近隣の寺院に問い合わせて、日程や内容、参加方法などを確認しましょう。服装の決まりは特にありませんが、落ち着いた色調の平服を選ぶのが無難です。男性は黒やグレーのスーツ、女性は黒のワンピースやアンサンブルがおすすめです。

寺院によっては、お布施が必要な場合もあります。お布施の目安額は3,000～1万円です。

お布施の包み方や渡し方については、こちらの記事で解説しています。

お布施の封筒はどう選ぶ？書き方や渡し方、金額相場などのマナー

お彼岸にやらない方が良いこと

お彼岸には、古くからの言い伝えや、お祝い事との兼ね合いなどから、「やらない方が良いといわれていること」がいくつかあります。

お見舞い

病気や怪我で療養中の方のお見舞いは、お彼岸の期間中は控えた方が良いかもしれません。お彼岸はあの世（彼岸）とこの世（此岸）が通じやすい時期と考えられており、死やお墓参りを連想させるためです。

ただし、これはあくまで古くからの迷信的な考え方です。相手の状況や関係性によっては、お見舞いに行くことが一概に悪いわけではありません。訪問を控えるべきかどうかは、柔軟に考えましょう。

お宮参り

赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を氏神様に願うお宮参りは、喜ばしい慶事にあたります。一方で、お彼岸はご先祖様の供養を優先する仏事の期間とされています。仏事と神事を同時に行ってはならないという考え方もあり、神事であるお宮参りは時期をずらべきと考える人もいます。

しかし、お彼岸中のお宮参りが絶対にタブーというわけではありません。家庭の事情や地域の慣習によっては、この時期に行うこともあります。日程を決める際は、両家の意向をよく確認し、尊重することが大切です。事前に神社へ相談してみるのも良いでしょう。

水辺で遊ぶ

お彼岸の時期に川や海などの水辺へ近づいたり、水遊びをしたりするのは避けるべき、という言い伝えも耳にします。水難事故で亡くなった人の霊が、お彼岸に人を水の中に引き込もうとする、といった迷信に基づくものです。

もちろん、科学的な根拠のある話ではありません。しかし、春や秋のお彼岸は季節の変わり目であり、まだ水温が低い場合や天候が不安定なことも考えられます。安全面を考慮して、水辺でのレジャーは控えた方が無難でしょう。

結婚式

結婚式や披露宴といった大きなお祝い事は、お彼岸の期間を避けて日取りを決めるのが一般的です。これは、お彼岸が故人を偲び、静かに供養を行う期間だからです。この時期に華やかな祝宴を行うのはふさわしくないという考え方が根底にあります。

とはいえ、近年では六曜などの日柄や会場の空き状況、参加者の都合などにより、お彼岸中に結婚式を挙げるカップルもいます。もし招待された場合は、気にする必要はなく、出席して問題ありません。

自身が挙式する場合は、念のため両家でよく話し合い、親族の理解を得ておくと安心でしょう。

彼岸花を持ち帰る

田んぼの畦道などで燃えるように咲く彼岸花は、その名の通りお彼岸と縁の深い花です。しかし、この花を摘んで家に持ち帰ると火事になる、あるいは死人が出るなど、縁起の悪い言い伝えが各地に残っています。

彼岸花には、特に球根の部分にリコリンという強い毒が含まれています。そのため、むやみに触ったり、家に持ち帰って飾ったりするのは実際に危険が伴います。美しい花ではありますが、言い伝えの面からも、安全のためにも、遠くから眺めて楽しむだけにしておきましょう。

お彼岸は故人を偲ぶいい機会

お彼岸は春分の日と秋分の日をそれぞれ中日（ちゅうにち）とし、その前後3日間を加えた合計7日間の期間を指します。年に2度訪れるこの時期は、日本に根付いた仏教的な習慣として、古くから大切に受け継がれてきました。

慌ただしい日常の中では、故人やご先祖様に思いを馳せる時間がなかなか取れないかもしれません。お彼岸に仏壇やお墓を掃除し、静かに手を合わせることで、亡くなった大切な人に改めて感謝の気持ちを伝えられます。

この期間を大切に過ごし、自身のルーツや命の繋がりについて静かに考えてみるのも一興でしょう。

あんしん祭典では、大切な方を亡くした方へのアフターフォローサービスを提供しています。お彼岸や法要で何をすればいいのかなど、弔事のわからないことや不安なことにお答えします。葬儀後の納骨や行政手続きのサポートも可能です。相談は無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。