葬儀後、喪主や遺族に「お疲れ様でした」とメールで労いを伝えるのはおかしなことではありません。本記事では葬儀後のお疲れ様でしたメールの送り方や例文、注意点を紹介。葬儀に参列できなかった方や、労いの言葉をかけるタイミングに迷っている方におすすめの記事です。
葬儀を終えた喪主や遺族に対して、「お疲れ様でした」と労いの言葉をかけるのは自然なことです。直接伝える機会がなかった場合や葬儀に参列できなかった場合、気持ちをメールで届ける方も増えています。
ただ、相手の気持ちを思うと言葉選びに迷ったり、メールを送るタイミングに悩んだりすることもあるのではないでしょうか。
本記事では、葬儀後に送る「お疲れ様でした」メールの文例やマナー、注意すべき表現について解説します。葬儀に参列できなかった方や、気持ちをどう伝えればよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
葬儀後に喪主や遺族にかけたい労いの言葉
葬儀を終えたばかりの喪主やご遺族には、心身ともに大きな負担がかかっています。そんなとき、そっと寄り添うような労いの言葉をかけることで、気持ちが少し和らぐこともあります。
ここでは、葬儀後のご遺族にかける言葉としてよく使われる「お疲れ様でした」と「お疲れの出ませんように」について紹介します。言葉の意味や使い方の違いを知っておくと、より丁寧な気持ちが伝わるでしょう。
お疲れ様でした
「お疲れ様でした」という言葉は、葬儀を無事に終えた喪主や遺族に対する労いの言葉として広く使われています。日常的にも使われる表現のため、一見カジュアルに感じられるかもしれませんが、葬儀の場でも決して失礼にはあたりません。
特に親しい間柄では、張り詰めていた気持ちが少し緩むきっかけにもなります。「いろいろと大変だったと思います」「しっかりと見送られていましたね」といった気持ちを込めて伝えることで、遺族に安心感を与えられるでしょう。
お疲れの出ませんように
「お疲れの出ませんように」は、葬儀後の遺族の心身を気遣う、より丁寧な表現です。
「お疲れ様でした」が行為に対する労いであるのに対し、「お疲れの出ませんように」は今後の体調や心情を案じる言葉です。
もともとは目上の人を労う言葉であるため、特に目上の人や仕事関係などフォーマルな関係の相手には、「お疲れ様でした」よりもこちらの表現の方が適しています。
喪主や遺族は、葬儀後もさまざまな手続きや対応に追われています。「くれぐれもご自愛ください」「ご無理なさらないように」などと合わせて伝えると、思いやりの気持ちがより伝わるでしょう。
葬儀後の労いの言葉はメールでも良い?
葬儀後に喪主や遺族へ労いの言葉を伝えるときは、できる限り直接会って言葉をかけるか、電話で伝えるようにしましょう。ただし、葬儀に参列できなかった場合や、参列はしたもののゆっくり話す時間がなかった場合は、メールで気持ちを伝えても問題ありません。
メールであれば、相手は好きなタイミングで読めます。葬儀後は手続きや挨拶などで忙しい時期でもあるため、無理に電話をかけるよりも、相手への配慮としてメールの方が適している場合もあります。
どのような相手に対してならメールで労いを伝えてもよいのか、また、メールを控えた方がよい相手については、以下を参考にしてください。
メールで労いを伝えてもよい相手
- 普段からメールやメッセージでのやりとりが中心の相手
- あまり親しくないが、気持ちだけは伝えておきたい相手
- 葬儀に参列できなかった友人・知人
メールではなく、対面や電話が望ましい相手
- 目上の親族や上司など、礼儀を重んじる相手
- 葬儀で特にお世話になった人や、関係が深い人
- メールでのやりとりに慣れていない高齢の方
お疲れ様メールは葬儀の2~3日後に送る
葬儀後のお疲れ様でしたメールは、葬儀が終わってから2~3日後に送ると良いでしょう。葬儀の当日や翌日は、喪主や遺族が気を張ったまま慌ただしく動いていることが多く、メールを落ち着いて読む余裕がないかもしれません。
少し時間を置くことで、相手の気持ちも少し落ち着いてきます。ただし、あまり日を空けすぎると「いまさら?」と思われることもあるため、葬儀の2~3日後を目安に送るのが安心です。
【関係性別】葬儀お疲れさまでしたメールの例文
葬儀後に送る「お疲れ様でした」のメールは、相手との関係性によって内容や表現を少し調整する必要があります。親族や友人、仕事関係者など、それぞれにふさわしい言葉選びを心がけましょう。
ここでは、関係性別にどのようなことを意識すればよいのかを解説し、具体的なメール文例も紹介します。
親族に送るメール
親族に対しては、堅苦しくなりすぎず、あたたかみのある言葉で労いを伝えましょう。とくに喪主を務めた相手には、気を張った時間が続いたことへの労いや、体調を気遣う一言を添えると、思いやりが伝わりやすくなります。
例文
このたびは本当にお疲れ様でした。
〇〇さんを見送るにあたり、立派に喪主を務められていて、胸が熱くなりました。
どうかお疲れが出ませんよう、少しでも体を休めてくださいね。
友人に送るメール
友人には形式ばらず、いつもどおりの口調で気持ちを伝えるのが自然です。ただし、あまり砕けすぎた表現や明るすぎる調子は避け、落ち着いたトーンを心がけましょう。相手との距離感に合わせて柔らかな言葉を選ぶと、気持ちの伝わる文章になります。
例文
葬儀、本当にお疲れ様でした。
あれだけのことを一つひとつ乗り越えて、きっととても大変だったと思います。
しばらくは気が張ったままだと思うけど、くれぐれも無理しないでね。
目上の人や仕事関係者に送るメール
目上の方や仕事関係の相手に送る場合は、言葉遣いや文章の構成に配慮し、丁寧な印象を大切にします。「お疲れ様でした」ではなく、「ご労苦がしのばれます」や「お疲れが出ませんように」といった表現に言い換えるのも一つの方法です。
例文
ご葬儀では大変なお役目をお務めになり、心よりお疲れ様でございました。
ご多用のなかとは存じますが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしくださいませ。
ご無理のない範囲で、少しでもお休みになれる時間がございますよう願っております。
葬儀お疲れ様でしたメールを書くときのポイント
葬儀後に送る「お疲れ様でした」のメールには、いくつか意識しておきたいポイントがあります。相手が置かれている状況に配慮しながら、丁寧かつ負担にならないような文面を心がけましょう。
短く端的にまとめる
葬儀直後の喪主や遺族は、疲れが溜まっているうえに事後の手続きなどで多忙な時期を過ごしています。そうした相手に長文のメールを送ると、読むだけでも負担になってしまうかもしれません。そのため、労いや気遣いの気持ちを伝えつつも、内容は簡潔にまとめることが大切です。
冒頭で葬儀のお疲れを労い、そのあとに心身への気遣いの言葉を1~2文添える程度が適切です。全体の文量は3~4文程度を目安にすると、無理なく読んでもらえるでしょう。
「返信不要」の旨を添える
お疲れ様メールを送る際は、文末に「ご返信はお気になさらないでください」といった一文を添えておくと、相手の気持ちを楽にできます。葬儀後は挨拶や手続きなどに追われ、ゆっくり返信する余裕がない場合も多いため、「返信しなければ」と気を遣わせない心配りが大切です。
具体的なサポートができるならそれを伝える
もしあなたが遺族にとって身近な存在であり、何か力になれる立場にあるなら、無理のない範囲で具体的なサポート内容を伝えておくと喜ばれるでしょう。
「何かあったら言ってくださいね」といった抽象的な表現よりも、「買い物や食事の用意など、私にできることがあったら言ってくださいね」や「〇〇の手続きでお困りならお手伝いできますよ」といった一言のほうが、相手も頼みやすくなります。
ただし、相手の負担にならないよう、「無理のない範囲で」「ご遠慮なく」などのクッション言葉を添えて伝えるようにしましょう。サポートの意思を伝えるだけでも、遺族の心の支えになるでしょう。
葬儀お疲れ様メールに書いてはいけないこと
葬儀後に送るメールは、相手の心情に配慮しながら言葉を選ぶ必要があります。よかれと思って書いた一言が、相手を傷つけたり不快な気持ちにさせたりすることもあります。
ここでは具体的にどのような言葉や内容を避ければいいのか紹介します。
忌み言葉・重ね言葉
弔事では、「重ねる」「続く」といった不幸が繰り返されることを連想させる言葉は避けるのがマナーです。たとえば、「たびたび」「重ね重ね」「ますます」などがこれにあたります。また、「終わる」「切れる」「消える」などの忌み言葉も避けましょう。
こうした表現は、不幸を連想させることから、縁起が悪いとされています。たとえメールの内容が丁寧であっても、言葉ひとつで印象が損なわれる可能性があるため気を付けましょう。
生死を直接的に表現する言葉
「生きていた頃」「死ぬ」「亡くなる」といった直接的な表現は、葬儀後まもない遺族に対しては刺激が強すぎるかもしれません。メールでは「生前」「ご逝去」や「ご悲報に接し」など、やわらかく配慮ある表現を選びましょう。
遺族の心はまだ深い悲しみの中にあることが多く、生死をストレートに表す言葉は、その悲しみを不意に強く呼び起こす可能性があります。
死因に関する話題
「病気はいつからだったのか」「何のご病気だったのか」といった死因に関する話題は、たとえ親しい関係であっても触れないのが基本です。喪主や遺族が自ら話す場合を除き、こちらから聞くことは避けましょう。
死因に触れることは、遺族にとってつらい記憶を掘り返すきっかけになりかねません。また、プライバシーに関わる内容でもあるため、配慮を欠いた印象を与えてしまう可能性もあります。
励ましの言葉
相手を思ってかけたつもりの励ましの言葉でも、タイミングや表現によっては、喪主や遺族の心を逆なでしてしまうことがあります。とくに葬儀直後は気持ちの整理がつかない状態であることが多いため、前向きな言葉も無理に受け止めようとして、かえってつらさが増すことがあります。
早く元気を出してね
「早く元気を出してね」という言葉は、相手の回復を願う気持ちから出たものでしょう。しかし、まだ悲しみの中にいる人にとっては、「気持ちを切り替えなさい」と急かされているように感じるかもしれません。
悲しみの深さや癒えるまでの時間は人それぞれです。そのプロセスを尊重することが、何よりの思いやりとなります。
いつか忘れられるときが来ますよ
「忘れる」という表現は、亡くなった方の存在を軽んじられたように感じられるかもしれません。遺族にとっては、忘れることよりも大切に記憶していくことの方が、心の支えになっていることもあります。
たとえ慰めのつもりでも、喪失そのものを軽く扱うような表現は避けましょう。
私はすぐに立ち直れましたよ
自分の経験を通じて励まそうとする言葉も、相手の負担になってしまいます。「自分はそうだった」と言われると、比べられているように感じたり、「もっと早く立ち直らなければいけないのか」と焦りを生んでしまうこともあります。
喪失の受け止め方は人によって異なります。相手の気持ちに寄り添う姿勢を大切にしましょう。
相手の気持ちに配慮して、葬儀お疲れさまでしたメールを送ろう
葬儀を終えた喪主や遺族に労いの言葉をかけるのは、ごく自然なことです。ただし、相手は心身ともに疲れている時期でもあるため、葬儀が終わって少し落ち着いた2~3日後にメールを送ると、気持ちも伝わりやすくなります。
言葉をかけるときは、何よりも相手の気持ちに配慮することが大切です。励ましたり、無理に前向きな言葉を投げかけたりするよりも、そっと寄り添うような気遣いが、心にしみることもあります。相手の立場を思いやりながら、丁寧な一通を届けましょう。
あんしん祭典では、葬儀後に必要な各種手続きのサポートもしています。行政手続きや相続の手続きなど、わからないことや不安なことがある方は、まずはお気軽にご相談ください。24時間365日対応で、相談は無料です。