香典は現金書留で郵送できます。郵送の際は短い手紙を同封しましょう。本記事では香典に添える短い手紙の書き方や例文を、相手別・状況別に詳しく解説します。参列できず郵送を検討している方に役立つ内容です。
お通夜や葬儀に参列できないときは、香典を現金書留で郵送する方法があります。現金を安全に届けられるため、多くの方が利用しています。郵送する場合は短い手紙を同封しましょう。
しかし、「直接お悔やみを伝えられず失礼ではないだろうか」「手紙には何を書けばいいのだろう」と悩んでいる方も多いでしょう。
本記事では、香典を郵送するときのマナーや、同封する短い手紙の書き方・例文を詳しく紹介します。遠方で参列が難しい方や、急な訃報で郵送を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
香典は現金書留で早めに郵送しよう
葬儀に参列できない場合は、香典を現金書留で郵送するのが一般的です。普通郵便や宅配便では現金を送れないため、必ず現金書留を利用しましょう。郵便局の窓口で専用の封筒を購入し、必要事項を記入して差し出します。
香典はお通夜や葬儀当日に届けるのが理想ですが、間に合わないときはできるだけ早めに郵送します。訃報を知ったら、遅くとも葬儀の数日後までに手配しましょう。遅れてしまった場合でも、四十九日法要の前までに届くように手配するのが良いとされています。
送り先は、葬儀を取り仕切っている遺族や喪主宛てが基本です。宛名には「〇〇家ご遺族様」や「喪主 〇〇様」と記載します。
香典を郵送する際は短い手紙を同封しよう
香典を郵送するときは、香典袋だけでなく短い手紙も添えます。直接会えない分、手紙でお悔やみの気持ちを伝えましょう。
手紙の内容は簡潔で構いません。訃報に驚いたこと、お悔やみの言葉、参列できないお詫びをひと言添えます。文章は便箋1枚に収めるのが基本です。
長文は必要ありませんが、言葉遣いには注意が必要です。忌み言葉を避け、丁寧で心のこもった表現を心がけましょう。基本的なマナーさえ押さえれば、短い手紙でも気持ちはしっかり伝わります。
なお、これらのマナーについて、詳しくは記事後半で解説します。
【相手別】香典に同封する短い手紙の例文
香典に同封する手紙は、相手との関係性によって内容や表現を少し調整すると、より心のこもった印象になります。ここでは香典を送る相手別に短い例文を紹介します。
仕事関係者(社内)に送る手紙
社内の同僚や上司に送る場合は、ビジネスマナーを踏まえた丁寧な表現を心がけます。業務上の配慮や今後のサポートを伝える一文を添えるのも良いでしょう。
【例文】
訃報に接し大変驚いております
心よりお悔やみ申し上げます
本来であれば直接お悔やみ申し上げるべきところですが参列が叶わず失礼いたします
お仕事のことはどうぞご心配なさらないでください
皆で協力して対応してまいりますのでご安心くださいませ
ご心労も多いかと存じますがくれぐれもお体ご自愛くださいませ
取引先に送る手紙
取引先へ送る場合は、より改まった表現が望ましいです。個人的な感情を控えめにしつつ、会社としての立場からお悔やみを述べます。
【例文】
このたびはご不幸の報に接し謹んでお悔やみ申し上げます
本来であればお伺いしてお悔やみを申し上げるべきところですが失礼をお許しください
貴社皆様におかれましてもご心痛のことと拝察いたします
心よりご冥福をお祈り申し上げます
親族に送る手紙
親族にはやや柔らかく、親しみのある表現を用いると良いでしょう。ただし香典に添える手紙であることを踏まえ、礼儀は大切にします。
【例文】
突然の訃報に接し驚いております
心よりお悔やみ申し上げます
本来ならすぐにお伺いしたいところですが伺えず申し訳ありません
皆様どうぞご無理なさいませんように
友人・知人に送る手紙
友人や知人には、素直な気持ちを短く伝えます。形式にこだわりすぎず、温かい言葉を心がけるとよいでしょう。
【例文】
このたびはご家族を亡くされ心よりお悔やみ申し上げます
突然のことでさぞおつらいことと存じます
本来ならお伺いしてお悔やみを申し上げるべきところですが伺えず申し訳ありません
遠方よりお見舞い申し上げます
どうぞお体にお気をつけてお過ごしください
【状況別】香典に同封する短い手紙の例文
故人との関係によって、遺族の悲しみの深さや言葉のかけ方も少しずつ異なります。ここでは状況別に、香典に添える短い手紙の例文を紹介します。
親を亡くした相手に送る手紙
親を亡くした悲しみは深く、言葉も慎重に選ばなければなりません。相手の心情をおもんぱかりつつ、静かに寄り添う表現を心がけます。
【例文】
このたびはお母様のご逝去の報に接し心よりお悔やみ申し上げます
さぞお力落としのこととお察し申し上げます
本来ならお伺いしてお悔やみを申し上げるべきところですが参列が叶わず失礼いたします
どうぞご無理をなさいませんようお体お大事にお過ごしくださいませ
祖父母を亡くした相手に送る手紙
祖父母への思い出に触れつつ、相手をいたわる気持ちを伝えます。あたたかみのある表現が適しています。
【例文】
このたびはお祖父様のご逝去に接し謹んでお悔やみ申し上げます
長年にわたり皆様をお支えになられたことと存じます
本来なら参列すべきところ参ることができず申し訳ありません
心よりご冥福をお祈り申し上げます
配偶者を亡くした相手に送る手紙
配偶者を亡くした方には、深い悲しみに寄り添う静かな言葉が必要です。相手の支えとなるような一文を添えるのも良いでしょう。
【例文】
ご主人様のご逝去の報に接し心よりお悔やみ申し上げます
突然のことでどれほどおつらいことかとお察し申し上げます
お伺いできず申し訳ありません
何かお力になれることがあればどうか遠慮なくお知らせくださいませ
親戚を亡くした相手に送る手紙
親戚の場合も、故人や遺族への思いやりを込めた簡潔な言葉を選びます。
【例文】
このたびは〇〇様のご逝去に接し謹んでお悔やみ申し上げます
本来ならすぐにお伺いしてお悔やみを申し上げるべきところですが参列が叶わず失礼いたします
皆様におかれましてもご心痛のことと存じます
心よりご冥福をお祈り申し上げます
子どもを亡くした相手に送る手紙
子どもを亡くされた方へのお悔やみは、非常に慎重な言葉選びが求められます。無理に励まそうとせず、静かに寄り添う気持ちを表します。
【例文】
このたびはお子様のご逝去に接し言葉もございません
ご両親のお気持ちを思うと胸が痛みます
お伺いできず申し訳ありません
どうかお体を大切になさってくださいませ
香典に同封する手紙の書き方
香典に同封する手紙は、相手の心情に配慮しつつ、失礼のない形式で書くことが大切です。次のようなポイントを押さえておきましょう。
縦書き・白無地の便箋を使う
便箋は白無地で罫線のないものが適しています。香典に添える手紙は改まったものなので、柄や色付きの便箋は避けましょう。文字は縦書きが基本とされます。
薄墨色のインクを入れた万年筆を使うか、薄墨の筆または筆ペンを使うのが正式なマナーですが、黒のボールペンでも失礼にはあたりません。
内容は便箋1枚にまとめる
手紙の内容は簡潔にまとめ、便箋1枚に収めるのが礼儀です。時候の挨拶や長い前置きは不要です。訃報に驚いた気持ち、お悔やみの言葉、参列できないお詫び、相手を気遣う言葉を簡潔に述べます。
忌み言葉や重ね言葉は使わない
不幸が重なることを連想させる表現は避けましょう。「重ね重ね」「たびたび」「再び」「続く」「くれぐれも」などは忌み言葉とされます。また「死ぬ」「生きる」といった直接的な表現も避け、やわらかい言い回しを選びます。「ご逝去」「お亡くなりになる」といった言葉が一般的です。
句読点を使わない
香典に添える手紙では、句読点を使わないのがしきたりです。句読点は文章の切れ目や終わりを示しますが、弔事では「式が滞りなく進むように」という願いを込めて句読点を避けます。
ここまでは香典に同封する短い手紙のマナーについて解説してきました。香典袋の選び方や書き方、お札の包み方など、香典の基本的なマナーを知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
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香典を郵送する際は短い手紙を同封
香典を郵送する場面では、現金書留で早めに手配するのが基本です。直接弔問できない分、短い手紙を添えてお悔やみの気持ちを伝えましょう。便箋は白無地の縦書きを選び、内容は簡潔にまとめます。
手紙には、訃報に接した驚きや悲しみ、参列できないお詫び、相手を気遣う言葉を綴ります。忌み言葉や重ね言葉を避け、句読点も使わないようにしましょう。
たとえ短い文章でも、心のこもった一言が遺族の支えになります。丁寧に心を込めて書きましょう。