終活は何から始めるべきか、迷っていませんか?この記事では、ケース別に最初にやるべきことを紹介。充実した人生を送りたい方、整理が苦手な方、家族の負担を減らしたい方など、さまざまな状況に合わせた終活の始め方がわかります。
終活とは、人生の終わりに向けて行う準備のことです。自分の人生を振り返り、残りの人生をより良く生きるため、また、遺される家族の負担を軽くするために行います。
しかし、終活には財産や不動産の整理、相続の手続きなど、複雑で時間のかかる作業が多いです。一つひとつの作業が難しく、やることも多く、何から始めれば良いのかわからないかもしれません。
この記事では、終活をスムーズに進めるために、何から始めるべきかをケース別に解説します。充実した人生を送りたい方、整理整頓が苦手な方、家族に負担をかけたくない方など、状況に合わせた終活の始め方がわかります。
ぜひこの記事を参考に、最初の一歩を踏み出してみてください。
終活がもたらす4つのメリット
終活には、自分と家族の双方にとって多くのメリットがあります。主なメリットを4つ紹介します。
メリット1.家族の負担を減らせる
終活によって、死後に発生する手続きや作業を前もって済ませられます。これにより、家族の精神的・肉体的な負担を軽くできるでしょう。
たとえば、不動産を売却や生前贈与で整理しておけば、葬儀や法要の準備で忙しい家族に負担をかけずに済みます。葬儀やお墓に関する希望を伝えておくことで、家族は故人の意向に沿った形でお見送りができるでしょう。
これらのことは、家族が大切な人の死を受け入れる助けになるでしょう。
メリット2.相続トラブルを防げる
遺産分割の方法や遺言書の有無を明確にしておくことで、相続に関する親族間のトラブルを防ぎやすくなります。
遺産相続は、親族間の関係悪化の原因となることも。終活を通して事前に準備しておくことで、このようなトラブルを回避し、家族関係を守れるでしょう。
メリット3.より充実した生活を送れる
終活は、これからの人生をどう生きたいか考える良い機会でもあります。老後の趣味や生きがい、仕事は続けるのかなどを考えることで、充実した日々を送れるようになるでしょう。
たとえば仕事を続けないなら、代わりに趣味やボランティア活動を始めるといいでしょう。やることがある、やりたいことが明確であるということで、人生をより積極的に過ごせるようになるはずです。
メリット4.いつか訪れる死を受け入れられる
終活ではいつか訪れる自分の死を見つめながら、人生や価値観について考えます。これは死を受け入れることにつながり、死に対する漠然とした不安を軽くできるでしょう。
終活を通して、人生の終わりについて前向きに捉え、残りの人生を大切に生きようという気持ちになるはずです。
終活でやるべき10のこと
終活では、具体的にどんなことをすれば良いのか、10個のToDoリストを紹介します。
1.財産を整理する
財産整理では、自分が所有する財産を把握することから始めましょう。まずは銀行口座や証券口座の残高確認をします。
そのうえで、不要な口座やクレジットカードの解約、貴金属や骨董品など資産価値の高い物の現金化などの方法で整理していきます。
財産を整理しておくことで、相続時の手続きをスムーズに行えるでしょう。
2.不動産を整理する
所有する不動産を把握し、必要に応じて整理していきましょう。整理の方法には売却、相続、生前贈与などがあります。
不動産の整理は、相続トラブルの防止にも役立ちます。たとえば、不動産を売却により現金化しておけば、家族や親族間で分割しやすくなります。
不動産は持っているだけで固定資産税がかかります。不要な不動産を処分することには、このような維持費を節約できるメリットもあります。
3.持ち物を整理する
身の回りの持ち物を整理しましょう。不要な物を処分したり、大切な物を死後どのように扱ってもらうのか考えたりします。
いらない物を捨て、身の回りを整理することで、自宅や部屋がすっきりします。遺品の整理や取り扱いで、家族が困ることもなくなります。
デジタルデータの整理では、パソコンやスマートフォンなどに保存されているデータを整理します。不要なデータを削除したり、大切なデータをバックアップしたりします。
IDやパスワードをエンディングノートに書く、Webサービスのアカウントをリストアップするといった作業も進めましょう。自分の死後、家族が処理をしやすくなります。
4.デジタルデータを整理する
デジタルデータとは、パソコンやスマートフォン、オンラインなどに保存されているデータのことです。オンラインのデータやサービスにアクセスするためのIDやパスワードも含まれます。
不要なデータは削除し、大切なデータはバックアップしておきましょう。IDやパスワードをエンディングノートに記したり、Webサービスのアカウントをリストアップしたりする作業も必要です。
これらの情報を整理しておくことで、自分の死後、家族がスムーズに処理を進められるようになります。
5.相続の準備と遺言書の作成
相続人や相続財産を確認し、遺産分割の方法を考えましょう。自分の意思を明確に伝えるために、遺言書の作成も必要です。遺言書を作成しておくことで、家族や親族間のトラブルを防げるでしょう。
一般的によく用いられる遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類があります。自筆証書遺言は自分で作成する遺言書です。費用はかかりませんが、法的な要件を満たしていないと無効になってしまう恐れがあります。
遺言を確実に実行したいなら、公正証書遺言がおすすめです。
6.老後の資金計画を立てる
老後の生活に必要な資金と自分の資産を把握し、資金計画を立てましょう。年金収入、貯蓄、退職金などの資金、生活費や医療費などの支出を整理し、収支のバランスを考えます。
収支を把握し計画を立てることで、老後を安心して過ごせます。資金が不足しそうなら、資産や不動産を現金化するのも良いでしょう。財産の整理も進んで一石二鳥です。
7.葬儀やお墓の準備をする
どのような葬儀を希望するか、お墓はどうするのか考えます。特にお墓は、先祖代々のお墓に入るのか、墓じまいをして新しいお墓に入ったり永代供養にしたりするのか、さまざまな選択肢があります。
新しくお墓を建てる場合、生前に準備しておくと節税効果があります。現金には相続税がかかりますが、お墓には相続税がかかりません。
また、生前に葬儀の準備をしておくことは、徳を積むことにもつながります。仏教では、生前の葬儀準備は、死後に行うよりも7倍の功徳があるとされています。
8.治療や介護に関する意思表示をする
終末期医療や介護について考え、希望を明確しておきましょう。たとえば、何かあったときに延命治療を希望するのか、介護はどうしてほしいのかを考えておきます。
これらについて意思表示をしておくことで、自分の意思を尊重した医療や介護を受けやすくなります。
これは家族の精神面にもメリットがあります。本人の意思が明確であれば、「もっと何かできたのではないか」と、家族が悔いを残さずに済むでしょう。
9.自分の人生を振り返る
これからの人生をどのように過ごしたいのかを考えるために、仕事や生きがいについて振り返ってみましょう。仕事は続けるのか、続けないとして代わりに何をするのか、自由に考えてみましょう。
仕事や生きがいについて振り返ることで、自分が本当は何をしたいのかが見えてきます。本当の望みを知ることで、これからの人生をより充実させられるでしょう。
10.エンディングノートに記す
これまで紹介してきたことを参考に、財産や自分の希望を明確にし、エンディングノートに記していきましょう。後からまとめて書くのではなく、整理しながら書いていくと、ノートをまとめやすいでしょう。
エンディングノートがあれば、自分の意志や希望、遺産や遺品の整理に必要な情報を、家族にスムーズに伝えられます。
【ケース別】終活を何から始めるか
終活を始めるにあたって、「何から始めれば良いのか」と迷う方は少なくありません。そこで、さまざまな状況に合わせた、終活で最初にやると良いことを紹介します。自分の状況と照らし合わせながら、参考にしてみてください。
充実した人生を送りたいなら「自分の人生を見つめ直す」
人生を見つめ直すことは、今後の人生をより良く生きるための道しるべとなります。過去を振り返り、これからどう生きたいかを考えることで、より充実した人生を送るための目標や計画を立てられます。
自分と向き合う時間を持つことで、本当に大切にしたいことや、これからやりたいことが明確になるでしょう。後悔の少ない人生を送れるだけでなく、終活へのモチベーションを高めることにもつながります。
腰が重くて手を付けられないなら「持ち物の整理」
持ち物の整理は、終活の中でも比較的取り組みやすい作業です。物理的に物を整理していくことで、終活を始めたという実感が得られるでしょう。その後の作業へのハードルも下げられます。
身の回りが片付くことで気分がすっきりするのはもちろん、本当に大切な物を見極める良い機会にもなります。整理を通して不用品を処分することで、遺族の負担も減らせます。
家族の負担を軽くしたいなら「重要情報をまとめる」
エンディングノートに情報をまとめておくことで、残された家族の負担を軽くできます。財産情報やデジタルデータに関する情報など、相続手続きや遺品整理に必要なことからまとめていきましょう。
エンディングノートがあることで、家族は故人の意向を尊重し、手続きを進められます。「本当にこの進め方でいいのかな?」という迷いをなくすことは、家族の心のケアにもつながります。
相続トラブルが心配なら「相続準備と遺言書作成」
相続準備と遺言書作成は、将来起こりうる相続トラブルを未然に防ぐために大切です。事前にしっかりと準備をしておくことで、親族間の争いを避け、円満な相続ができるでしょう。
トラブルを避けるために、遺言書は必ず作成しておきましょう。故人の意思に基づいた財産分与が可能になり、家族関係の維持にもつながります。
老後の生活が不安なら「財産や不動産の整理と資金計画」
老後の生活に経済的な不安があるなら、財産や不動産を整理し、資金計画を立てることから始めましょう。資産状況を把握し、将来必要となる資金を明確にすることで、安心して老後を迎える準備ができます。
資金計画を立てることで、老後生活に具体的な見通しが立ちます。漠然とした不安が解消され、心穏やかな老後を送るための基盤を築けます。
突然の事故や病気が不安なら「治療や介護に関する意思表示」
万が一の事態に備えて、治療や介護について、自分の希望を周囲に伝えておきましょう。
自分の意思を明確にしておくことで、意識不明になった場合でも、家族や医療関係者は適切な対応を取れるようになります。自らの尊厳を守るだけでなく、家族の精神的な負担も軽減できます。
終活を何から始めるべきかは人によって異なる
終活では、財産の整理や各種契約の確認、手続きなど、多くの作業が必要です。もちろん、手間と時間もかかります。いざ始めようと思っても、何から手をつければ良いのか迷ってしまうかもしれません。
終活は優先順位をつけて、自分にとって最も必要なこと、または取り組みやすいことから始めましょう。
何から始めるかは人それぞれです。この記事で紹介したケース別の「最初にやると良いこと」を参考に、自分に合った始め方を見つけてください。必要なことから、あるいはやりやすいことから始めることで、重い腰を上げて終活に取り掛かれるはずです。