終活とは、人生の終末に向けて行う準備のことです。この記事では、終活のメリットや具体的な準備方法、注意点などをわかりやすく解説します。終活を始めたいけれど何からすれば良いかわからない方、終活に関心のある方におすすめの内容です。
終活とは、人生の終末に向けて行う準備のことです。具体的には、財産整理や身の回りの整理、葬儀やお墓の準備、そしてこれまでの人生を振り返る作業などを行います。
「自分が死ぬことを考えるなんて気が滅入りそう」「興味はあるけど、何から手を付けていいかわからない」。そう思って、なかなか終活を始められずにいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、終活のメリットから具体的な準備方法、進めるうえでの注意点まで、わかりやすく解説します。終活を始めたいけれど何からすれば良いかわからない方、終活に関心はあるけれど一歩踏み出せない方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
終活とは
終活とは、人生の終末に向けて行う準備のことです。具体的には、財産整理や身の回りの整理、葬儀やお墓の準備、そして人生を振り返る作業などを行います。
終活を行うことで、残された家族の負担を軽くしたり、相続に関するトラブルを防いだりできるでしょう。自身の人生をより良く生きるためのきっかけにもなり得ます。
人生100年時代といわれる現代において、老後の生活は長期にわたります。だからこそ、終活を通してこれからの人生を見つめ直し、より充実したものとするために、終活は必要な準備といえるでしょう。
終活はいつから始める?
一般的に、終活は定年退職を迎える60代頃に始める方が多いようです。しかし、終活は何歳から始めても良いものです。40代・50代はもちろん、20代から始めたからといって、早すぎることはありません。
終活は、これまでの人生を振り返り、これからの人生をどのように生きたいかを考える、いわば自分と向き合う作業でもあります。早いうちから終活を始めることで、より長く、自分らしい充実した人生を送っていけるでしょう。
子どもや孫の誕生、キャリアにおけるリタイアを考え始めた時など、人生の節目となるタイミングで終活を始めるのもおすすめです。そのような節目は、今後の人生について考える良い機会となるでしょう。
終活をする4つのメリット
終活は自分だけでなく、家族にとっても多くのメリットがあります。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。
メリット1.家族の負担を軽くできる
終活を行うことで、自らの死後に発生するはずだった手続きや作業を事前に済ませ、家族の精神的・肉体的負担を軽くできます。
たとえば、財産の整理や相続の手続きなどを事前に済ませておくことで、家族は故人を偲ぶことに集中できます。また、葬儀やお墓の希望を伝えておくことで、家族は故人の意向に沿った形で見送りができるでしょう。
これらの効果は家族にとって、大切な人の死を受け入れる手助けとなるでしょう。
メリット2.遺産に関するトラブルを防げる
遺産分割の方法や遺言書の有無などを明確にしておくことで、相続をめぐる親族間の争いを防ぎやすくなります。
遺産相続は、時に親族間の関係を悪化させる原因となります。終活を通じて事前にしっかりと準備をしておくことで、このようなトラブルを回避し、大切な家族関係を守れるでしょう。
メリット3.生活の充実につながる
終活は、これからの人生をどのように生きたいかを考えるきっかけとなります。老後の生活設計や趣味、生きがいについて考えることで、より充実した日々を送れるでしょう。
たとえば老後の資金計画を立てたり、趣味やボランティア活動を見つけたりすることで、これからの人生をより積極的に過ごせるようになるはずです。
メリット4.死の不安を軽くできる
終活では人生の終末について具体的に考えたり、自分のこれまでの人生や価値観を見つめ直したりします。これはいつか訪れる死を受け入れること、死に対する漠然とした不安を軽くすることにつながります。
終活を通じて、人生の終わりについて前向きに捉えられるようになり、残りの人生をより大切に生きようという気持ちが生まれるでしょう。大切な人たちに感謝の気持ちを伝える機会にもなります。
終活で気を付けたい3つのポイント
終活は、今後の人生をより良く生きるため、そして大切な家族のために行う準備です。ここでは終活を通してより良い人生を生きるための、3つのポイントを紹介します。
ポイント1.少しずつ進める
終活では財産の整理や契約の確認など、手間のかかる作業をしなければなりません。一気に進めようとすると、心身ともに大きな負担となり、途中で挫けてしまうかもしれません。
焦らず、無理のないペースで、着実に進めていくことが大切です。たとえば、まずはエンディングノートに自分のことを書き出すことから始めてみるなど、簡単なことから取り組んでみましょう。
ポイント2.家族や親族と話し合いながら進める
終活は自分だけでなく、残される家族にとっても重要な作業です。家族に何も伝えないまま終活を進めてしまうと、後々トラブルの原因となるかもしれません。
終活の内容については、できる限り家族や親族と話し合いながら進めるようにしましょう。特に相続については、家族や親族と話し合いながら決めていくことで、後々のトラブルを回避できます。
エンディングノートの保管場所を伝えておくことも大切です。エンディングノートには財産や口座のリスト、デジタルデータのパスワードなどをまとめられ、家族が遺品整理をするときの助けになります。機密情報も書くため簡単に見つけられる場所に置くのは避けるべきですが、家族の中でも信頼できる何人かには、場所を伝えておきましょう。
ポイント3.前向きな気持ちで進める
終活には暗いイメージがあるかもしれません。しかし終活は、これからの人生をどのように生きたいかを考え、より充実した人生を送るための準備でもあります。
老後の仕事や趣味、生きがいなどについて前向きに考えることで、これからの人生がより豊かなものになります。終活を人生の新たなスタートとして捉え、前向きな気持ちで取り組みましょう。
終活でやるべき10のこと
終活では、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。ここでは、終活でやるべき10個のことを紹介します。
1.財産の整理
財産の整理では、所有している財産を把握し、整理を行います。具体的には、銀行口座や証券口座の残高を確認したり、不要な口座やクレジットカードを解約したり、貴金属や骨董品など資産価値の高い物を現金化したりしましょう。
財産を整理することで、相続時の手続きがスムーズになります。また、不要なものを処分することで、物理的にも精神的にも身軽になれるでしょう。
2.不動産の整理
不動産の整理では、所有している不動産をどのようにするかを考えます。売却、相続、生前贈与など、さまざまな選択肢があります。
不動産の整理は、相続時のトラブルを防ぐことにもつながります。たとえば不動産を売却し現金に換えておけば、家族や親族で分割しやすくなります。
また、不要な不動産を処分することで、固定資産税などの維持費を節約できます。
3.身の回りの整理
身の回りの整理では、主に持ち物を整理します。不要なものを処分したり、大切なものを整理したりします。
身の回りを整理することで、生活空間がすっきりとし、より快適に暮らせるでしょう。大切なものを整理し、自分の死後どうしてほしいか決めておくことで、後々家族も困らずに済みます。
4.デジタルデータの整理
デジタルデータの整理では、パソコンやスマートフォンなどに保存されているデータを整理します。不要なデータを削除したり、大切なデータをバックアップしたりします。
IDやパスワードをエンディングノートに書く、Webサービスのアカウントをリストアップするといった作業も進めましょう。自分の死後、家族が処理をしやすくなります。
5.相続の準備と遺言書の作成
相続の準備では、相続人や相続財産を確認し、遺産分割の方法などを考えます。
遺言書の作成も重要です。自分の意思を明確に伝えることで、家族・親族間の不要のトラブルを防げるでしょう。
なお、遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。自筆証書遺言は自分で書く遺言書です。自分で書くため費用はかかりませんが、法的な要件を満たせず、無効になりやすいデメリットもあります。
確実性を重視するなら、公正証書遺言がおすすめです。
6.老後の資金計画
老後の生活に必要な資金と自らの資産を把握し、資金計画を立てましょう。年金収入や貯蓄、退職金などを考慮し、生活費や医療費などを試算します。
老後の資金計画を立てることで、安心して老後生活を送れます。資金が不足するようなら、ここまで紹介してきた財産や不動産の整理を通して、資金調達するのもいいでしょう。
7.葬儀やお墓の準備
葬儀やお墓の準備では、どのような葬儀を行いたいか、どのようなお墓に入りたいかなどを考えます。新しくお墓を建てる場合、生前に準備することには節税効果もあります。現金には相続税がかかりますが、お墓にはかからないからです。
また、生前に葬儀の準備をすることで徳を積めるという考え方もあります。仏教では、生前の葬儀準備を行うことは、死後に行うことに比べて7倍の功徳があるとされています。
8.治療や介護に関する意思表示
終末期医療や介護について、希望を明確にし、表明しましょう。具体的には、延命治療を希望するかどうか、どのような介護を受けたいかなどを考えます。
治療や介護に関する意思表示をすることで、自分の意思を尊重してもらいやすくなります。家族が判断に迷うことも防げます。自分も家族も納得感を得やすくなり、特に家族に「もっとできることがあったのではないか」と悔いを残すことを防げるでしょう。
9.仕事や生きがいについて見つめ直す
仕事や生きがいについて見つめ直すことは、これからの人生をどのように過ごしたいかを考えるうえで大切なことです。定年退職後の生活や趣味、ボランティア活動などについて考えてみましょう。
仕事や生きがいについて見つめ直すことで、これからの人生をより充実したものにできるはずです。具体的な目標や方針を持つことで、より積極的に生活を送れるでしょう。
10.エンディングノートを書く
エンディングノートには、ここまで紹介した項目に関する情報をまとめていきます。終活を進めながら書いていくと、スムーズに作成できるでしょう。
エンディングノートを作成することで、自分の意志や情報を整理し、家族に伝えられるようになります。
終活と併せて考えたい、老後を支える6つの契約
終活と併せて考えておきたいのが、老後の生活を支えるための各種契約です。これらの契約を事前に結んでおくことで、判断能力が低下した場合や、亡くなった後の手続きなどをスムーズに行えます。
1.財産管理委任契約
財産管理委任契約とは、自分の財産管理を家族や弁護士などの第三者に委任する契約です。預貯金の管理や不動産の管理、税金の支払いなどを代行してもらえます。
判断能力が低下した場合に備えて、財産管理に不安がある方におすすめです。また、入院などで長期間家を空ける場合にも役立ちます。
2.任意後見契約
任意後見契約とは、将来、判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ後見人(財産管理や身上監護を行う人)を選任しておく契約です。
認知症などで判断能力が低下するのが不安な方におすすめです。判断力が低下した後に後見の手続きをする法定後見制度よりも、本人の意思を反映しやすいメリットがあります。
3.見守り契約
見守り契約とは、定期的に安否確認や生活状況の確認などを行ってもらう契約です。任意後見契約が有効になるまでの間にこれらを確認してもらうことで、適切なタイミングで任意後見契約を始められます。
一人暮らしの高齢者や、家族と離れて暮らしている方におすすめです。孤独死のリスクを軽減することもできます。
4.死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、亡くなった後の手続きを第三者に委任する契約です。葬儀の手配や納骨、遺品整理、行政手続きなどを代行してもらえます。
知人・友人や内縁のパートナーなど、戸籍上のつながりがない相手とも契約を結べます。そのため、身寄りのない方や家族に負担をかけたくない方におすすめです。
5.民事信託
民事信託とは、自分の財産を信頼できる人に託し、管理・処分してもらう仕組みです。財産の管理だけでなく、特定の目的(たとえば、障がいを持つ子どもの生活費の確保など)のために財産を活用することもできます。
財産を有効活用したい方や、特定の目的のために財産を残したい方におすすめです。
6.ペット関連の契約
ペット関連の契約とは、自分が飼っているペットの世話を、自分が亡くなった後も継続してもらうための契約です。ペットの飼育費用や世話の内容などを定めます。
ペットを飼っている方で、自分が亡くなった後のペットの世話が心配な方におすすめです。
終活は大変だが、家族のためにも自分のためにもやった方がいい
終活では財産の整理や各種契約の手続きなど、さまざまな作業をしなければなりません。複雑な作業もあり、専門家への相談が必要なこともあるでしょう。葬儀・お墓の準備費用などにもお金がかかります。
このように、終活には時間と労力、そしてある程度の費用がかかることを覚えておきましょう。
終活を進めるのは決して簡単なことではありません。しかし、終活は残される家族のためだけでなく、自分の人生をより充実したものにするためにも大切です。
一気に全てを進めようとすると、途中で挫折してしまうかもしれません。焦らず、少しずつ、着実に進めていきましょう。