遺族年金を受給する条件は、亡くなった方の納付状況や遺族の年収、子どもの有無などが鍵を握ります。本記事では、自営業と会社員の受給額の違いや、共働き・離婚ケースでの注意点など、受給可否の判断基準をわかりやすく解説します。遺族年金の受給対象になるか知りたい遺族や、遺族年金の手続きに不安を感じる方に役立つ内容です。
家族が亡くなった後、残された遺族の生活を支える大きな柱となるのが「遺族年金」です。しかし、遺族年金は「家族が亡くなれば誰でも無条件でもらえる」というわけではありません。
遺族年金は、亡くなった方の年金の支払い状況や、受け取る側の年収など、法律で決められた厳しいハードルを乗り越える必要があります。
本記事では「うちは自営業だけどもらえるの?」「共働きでも対象になる?」など疑問を抱える方に向けて、遺族年金を受け取るための条件を3つのポイントに絞って詳しく紐解いていきます。
遺族年金とは?
遺族年金とは、名前のとおり一家の働き手や年金加入者が亡くなった際、残された遺族に対して支給される年金です。残された家族が経済的に立ち行かなくなるのを防ぐ、国による「大切な人を亡くした後の保険」のような役割を果たしています。
遺族年金の仕組みは「2階建て」
日本の年金制度は、よく「2階建て」に例えられますが、遺族年金もその構造にもとづいています。亡くなった方が死亡時にどの階層に加入していたかによって、もらえる年金の種類が大きく変わります。
1階:遺族基礎年金(自営業・フリーランス・専業主婦・学生など)
2階:遺族厚生年金(会社員・公務員など)
亡くなった方が会社員や公務員として働いていた場合、1階と2階の両方に加入しているため、遺族は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の両方を受け取れる可能性があります。一方で、自営業の方は1階部分のみの加入となるため、受け取れるのは「遺族基礎年金」だけとなるのが基本です。
【状況別】遺族年金の受給可否リスト
亡くなった方の状況と、受給できる可能性のある遺族年金の種類を表にまとめています。まずは当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。
| 亡くなった方の状況 | 受給できる可能性のある遺族年金 |
| 自営業で保険料を完納 | 遺族基礎年金(子どもがいる場合) |
| 会社員で保険料を完納 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 |
| 退職後すぐに亡くなった | 厚生年金から出る場合がある(5年以内ルール) |
| 1年以上の未納がある | 特例に当てはまれば受給可能 |
このように、遺族年金がもらえるかどうかは「亡くなった方の年金加入状況」「保険料を納めていたか」「遺族が生計を維持されていたか」といった条件によって決まります。
それぞれの内容について、さらに深く確認していきましょう。
遺族年金をもらうために確認したい3つの条件
遺族年金をもらうためには、事前に確認したい重要なポイントがあります。3つの条件についてくわしく解説します。
1.亡くなった方がどの年金に加入していたか
まずは、亡くなった方が死亡した時点で以下のいずれかに該当している必要があります。これによって「1階部分」のみか「2階部分」も含まれるかが決まります。
遺族基礎年金(1階部分)が出るケース
・国民年金に入っている間に亡くなった
・60歳〜65歳未満で、日本に住んでいて、過去に国民年金に入っていた
・すでに老齢基礎年金をもらっている、またはもらう資格(25年以上の加入)がある
遺族厚生年金(2階部分)が出るケース
・厚生年金に入っている間に亡くなった
・厚生年金に入っていた時期の病気やケガが原因で、初診日から5年以内に亡くなった
・障害厚生年金(1級・2級)をもらっている
・すでに老齢厚生年金をもらっている、またはもらう資格(25年以上の加入)がある
遺族基礎年金は「18歳到達年度末までの子がいる配偶者」または「子」のみが対象です。そのため、自営業の方で子どもがいない(または成人している)場合は、受給対象から外れる点に注意しましょう。
2.亡くなった方が年金を納付していたか
どれだけ長く年金に加入していても、保険料を滞納していると遺族年金は支給されません。年金に加入すべき期間のうち、保険料を納めた期間(免除期間を含む)が(全期間のうち)3分の2以上あることが必要です。
救済措置として、直近1年間の「未納なし」特例もある
過去に長い未納期間があったとしても、あきらめる必要はありません。
「死亡した月の前々月までの直近1年間に未納がない(初診日または死亡日の前日時点で判定)」のであれば、亡くなった方が65歳未満の場合に限り、特例として受給が認められます。
なお、納付状況は「亡くなった日の前日」時点で判断されます。亡くなった後に慌てて未納分を支払っても、受給の判定には一切考慮されません。あくまで生前の納付実績が問われます。
3.遺族が「生計を維持されている」こと
遺族年金は、亡くなった方に養われていた遺族を救済するための制度です。そのため、受け取る側が「生計を維持されていた」といえるかどうかが重要なポイントになります。
具体的には、遺族側が以下の2つの基準をクリアする必要があります。
収入の基準
まず、受け取る遺族の年収が850万円未満(所得なら655.5万円未満)であることが条件です。
しかし、現在この金額を超えていても「定年退職が近い」「病気で退職予定」など、5年以内に年収が下がる見通しがあれば認められる場合があります。
生活を共にしていた基準
原則として、亡くなった方と同居していたことが条件です。ただし、単身赴任や介護などで別居していた場合でも、以下に当てはまれば認められる場合があります。
・定期的な仕送りが行われていた
・健康保険の扶養に入っていた
・定期的に連絡を取り合い、家計の補助(生活費の負担など)があった
遺族年金は、亡くなった方が家計の柱であったことを前提としています。そのため、受け取る側には「経済的に支えられていた(収入基準)」ことと「家族として共に生活していた(生計同一)」ことの双方が求められます。
遺族年金の条件に関する3つの注意点
「うちは遺族年金を受給する条件を満たしているはず」と思っていても、意外なところで落とし穴となるポイントがいくつかあります。特に間違いやすい3つのケースを確認しておきましょう。
1.亡くなった後の「未納分の後払い」は認められない
遺族年金をもらえるかどうかは、あくまで「亡くなる前日までの支払い実績」で決まります。亡くなった後に未納があることに気づき、慌てて役所で未払い分を支払ったとしても、残念ながら「遺族年金をもらうための条件」としてはカウントされません。
ただし、過去に「支払いの免除や猶予」の手続きをしていた期間は、未納とは扱われず遺族年金をもらえる条件に含まれます。もし未納があると言われたら、まずは免除されていた期間はないかを確認してみるのが大切です。
2.離婚した「元配偶者」に受給資格はない
たとえ元配偶者が亡くなった方から養育費を受け取っていても、法律上の親族関係がないため受給資格はありません。ただし、元配偶者との間に「18歳到達年度末までの子」がいる場合は、子どもに遺族年金の受給権が発生します。
この場合は、今一緒に暮らしている親(元配偶者)が「子と生計を同じくする親」として、「子の管理」という形で、実質的に生計を支える資金として受け取れます。
3.共働きでも「年収850万円」を超えなければ受給できる
夫婦共働きの場合、お互いに自立しているとみなされがちですが、受け取る側の年収が850万円未満であれば受給条件を満たすと判断されます。
また、現在この金額を超えていても、定年退職が近いことや、病気で退職する予定があるなど5年以内に年収が下がる見込みがあれば、例外的に認められる可能性があるでしょう。
遺族年金の条件を確認し受給手続きを
遺族年金を受け取るためには、亡くなった方の年金種別や保険料の納付状況、さらには残された遺族の年収や家族構成など、いくつかの高いハードルを一つずつ確認していく必要があります。
まずは、自身が受給対象になるのか、そしてどの種類の年金が受け取れるのかを正しく把握することから始めましょう。
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