親の葬儀では、成人していれば子どもでも香典を包むのが一般的です。本記事では、親の葬儀で香典が必要になるケースや出さなくてもよい場合、金額の目安、香典袋の書き方まで解説。親の葬儀の香典マナーを知りたい方や、自分の立場でどうすべきか迷っている方におすすめです。
親の葬儀に参列するとき、子どもの立場でも香典を包むべきなのか迷う方は多いものです。親族のため不要だと思う一方で、別世帯で暮らしている場合や、兄弟姉妹が包んでいる場合、どうすべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
親の葬儀で香典を包むか包まないか、状況によって答えは異なります。ただ、基本的に香典を包むことが多く、喪主を務める場合や香典辞退がある場合など、出さないケースもあります。
この記事では、親の葬儀で香典が必要かどうかの考え方を整理。香典を出さなくてもよいケース、金額の目安、夫婦で参列するときの考え方、香典袋の書き方や渡し方のマナーまでやさしく解説します。
親の葬儀では、香典を包むのが一般的
親の葬儀では、成人していれば、子どもの立場であっても香典を包むのが一般的です。特に、喪主ではない子どもや、親と別世帯で暮らしている子どもは、参列者の立場として香典を用意することが多くなります。
ただし、親の葬儀ならいつでも香典が必要というわけではありません。親の葬儀の香典は、「子どもなので必要・不要」と一律に決めるものではなく、立場や事情に合わせて考えることが大切です。
親の葬儀で香典を出さなくてもよい3つのケース
親の葬儀では香典を包むことが多いものの、状況によっては出さなくてもよいケースもあります。まずは、香典を包まなくて良い代表的なケースを確認しましょう。
1.喪主や施主を務める場合
喪主や施主※を務める場合は、香典を出さないのが一般的です。これは親の子どものため不要なのではなく、葬儀を執り行う主宰側の立場になるためです。
喪主や施主は、葬儀社とのやり取りや費用負担、参列者への対応などを担う、香典を受け取る側にあたります。そのため、あらためて自分で香典を包む必要はありません。
一方で、同じ子どもでも喪主ではない場合は、香典を用意するのが一般的です。兄弟姉妹で役割が分かれているときは、自分が主催側なのか、参列する立場なのかを考えると判断しやすくなります。
※喪主と施主の違い
- 喪主=葬儀を主宰する人
- 施主=葬儀の費用を支払う人
施主が喪主を務めるケースは多く見られますが、喪主に金銭的な余裕がない、施主が高齢で喪主を務める体力がないなど、喪主と施主が別になる場合もあります。
2.香典辞退の案内がある場合
遺族から香典辞退の案内が出ている場合は、その意向を尊重しましょう。親の葬儀であっても、「お気持ちだけで十分です」と案内されているなら、無理に渡さないのが基本です。
香典返しの準備や受付対応の負担を減らしたいという考えから、香典を辞退することもあります。辞退されているものを無理に渡すと、かえって遺族に気を遣わせてしまうかもしれません。
もし香典を持参したものの、その場で辞退された場合は、無理に渡さず持ち帰るのが一般的です。自分の思いよりも、まず相手の意向を優先しましょう。
3.未成年や失業中などで経済的な負担が大きい場合
未成年や学生で十分な収入がない場合は、無理に香典を用意する必要はありません。香典は弔意を表す大切なものですが、生活に無理が出てはいけません。それは、亡くなった親の立場からしても望まないことでしょう。
また、失業中などで経済的に厳しい状況にある場合も、無理する必要はありません。親の葬儀だからこそきちんとしなければと思うしまうかもしれませんが、自分の生活を守ることも大切です。
親の葬儀の香典は3万円〜10万円程度が目安
親の葬儀で香典を包むことになったとき、次に迷いやすいのが金額です。失礼にならないようにしたい一方で、高すぎても低すぎてもよくないのではないかと不安になる方も多いでしょう。
親の葬儀の香典は、年齢や立場によって、次のような目安があります。
| 年代 | 香典の目安 |
| 20代 | 3〜10万円 |
| 30代 | 5〜10万円 |
| 40代 | 7〜10万円 |
| 50代 | 10万円以上 |
親の葬儀で包む香典は、3万円〜10万円程度が目安です。20代では3万円〜5万円ほど、30代以降では5万円〜10万円ほどを考えることが多く、年齢や立場によって金額に差が出ます。
ただし、この金額はあくまで目安です。実際には、喪主との関係、兄弟姉妹との役割分担、経済状況などによって柔軟に考えて構いません。
相場より高ければよいわけでもありません。あまりに高額だと香典返しの負担は大きくなり、相手に気を使わせてしまいます。
また、親の葬儀では兄弟姉妹の香典額に差がある場合、気まずく感じたり、わだかまりが残ったりすることもあります。できれば事前に相談し、金額をある程度そろえておくとよいでしょう。
親の葬儀における3つの香典マナー
親の葬儀で香典を用意するときは、金額だけでなく、香典袋の書き方やお札の入れ方も気になるものです。細かな作法まで完璧に覚える必要はありませんが、基本は押さえておきましょう。
1.表書き
香典袋の表書きは、宗教や宗派によって使い分けましょう。仏式では「御霊前」がよく使われますが、宗派や時期によっては「御仏前」を使う場合もあります。
たとえば浄土真宗では「霊」という概念がないため、お通夜・葬儀から「御仏前」を使用します。浄土真宗以外でも、四十九日以降は御仏前を使います。これは、四十九日を境に故人が霊から仏に成ると考えられているためです。
神式では「御玉串料」、キリスト教では「御花料」などが使われるため、可能であれば事前に確認しておくと安心です。宗教・宗派ごとに使える表書きは、次の表のとおりです。
| 宗教 | 表書き |
| 仏教 | ・御霊前 ・御香料 ・御香奠 など ※浄土真宗は御霊前ではなく御仏前 ※浄土真宗以外でも四十九日以降は御仏前 |
| 神道 | ・御霊前 ・御玉串料 ・御榊料 ・御神饌料 など |
| キリスト教(カトリック) | ・御霊前 ・御花料 ・献花料 ・御ミサ料 など |
| キリスト教(プロテスタント) | ・御花料 ・忌慰料 ・献花料 など ※御霊前はNG |
| 無宗教 | ・御香典 ・御香料 ・御霊前 ・御供料 など |
名前は、水引の下中央にフルネームで書きます。夫婦で参列する場合は、夫のフルネームを中央に書き、その左側に妻の名(名前のみ)を添えます。また、香典袋は濃い墨ではなく薄墨を使うのがマナーです。これは「涙で墨が薄まってしまった」という意味で、悲しみを表しています。
2.内袋
内袋には、包んだ金額と住所、氏名を書きます。
金額は、内袋の表面に「金参萬圓也」のように旧字体の漢数字で書きましょう。旧漢数字の書き方は次の表を参考にしてください。
| 数字 | 旧漢数字 |
| 一 | 壱 |
| 二 | 弐 |
| 三 | 参 |
| 五 | 伍 |
| 六 | 六 |
| 七 | 七 |
| 八 | 八 |
| 十 | 拾 |
| 千 | 仟 |
| 万 | 萬 |
裏面には住所と氏名を記入し、遺族があとから見てもわかりやすいようにしましょう。
また、中袋にはのり付けをしないことが一般的です。外袋と中袋の両方にのり付けをすると、遺族が封を開けるときに手間がかかります。外袋をのりでしっかり閉じていれば、中袋からお金が落ちる心配もありません。
3.お札の入れ方
香典に入れるお札は、新札を避けるのが一般的です。あらかじめ不幸を予想して準備していたと受け取られるためです。ただし、汚れが目立つものや傷みが激しいお札は避けましょう。新札しかない場合は、一度軽く折り目をつけてから包みましょう。
お札の向きは、人物の顔が印刷されている面を裏側にし、顔が封筒の底にくるようにそろえます。
また、お札の枚数や合計金額は、できるだけ奇数になるように整えましょう。割り切れる数の偶数は「縁が切れる」ことを連想させるため、弔事では避けるのが一般的です。
親の葬儀の場合、相場に合わせて「3万円」「5万円」「10万円」といったキリの良い奇数の金額を包むようにすれば、枚数やマナーで迷う心配も少なくなります。
【Q&A】親の葬儀の香典でよくある質問と対処法
親の葬儀の香典は、一般的な目安があっても、家族構成や立場によって判断が分かれやすいものです。ここでは、特に迷いやすい質問をQ&A形式で整理します。
Q.親の葬儀で子どもは必ず香典を出すべきですか?
A.必ずではありません。
親の葬儀では、喪主ではない子どもや別世帯で暮らしている子どもが香典を包むことが多い一方で、喪主や施主を務める場合は包まないのが一般的です。また、未成年や学生、経済的な事情がある場合まで無理に用意しなければならないわけではありません。
自分は主宰側なのか参列側なのか、いま無理なく用意できる状況かを踏まえて考えることが大切です。
Q.親と同居している場合は香典を出さなくてもよいですか?
A.同居している場合は、香典が不要になることがあります。
親と同居している場合は、一般的に遺族側、つまり葬儀を執り行う側になるため、香典を出さないのが一般的です。 葬儀費用を分担している場合などは、香典を出さないのが一般的です。ただし、同じ家に住んでいても二世帯住宅で家計が別だったり、葬儀では喪主や施主を務めなかったりする場合は、香典を包むこともあります。
同居しているからといって必ず不要になるわけではありません。生活の実態や葬儀での立場によって、どう判断すべきかは変わります。
Q.夫婦で親の葬儀に参列する場合、香典はどうすれば良いですか?
A.夫婦で一つの香典を包むことが一般的です。
夫婦で参列する場合は、世帯として香典をひとつにまとめて包みます。香典袋の名前は夫の名前を中心に書くのが一般的です。妻側の親の葬儀など、夫婦連名にすることもあります。
また、金額について「2人で参列するから2人分包まなくてはならないのでは?」と思う方もいますが、香典は1世帯で1つ用意すれば問題ありません。そのため、先述のように、1世帯で3万~10万円が目安になります。
| 年代 | 香典の目安 |
| 20代 | 3〜10万円 |
| 30代 | 5〜10万円 |
| 40代 | 7〜10万円 |
| 50代 | 10万円以上 |
Q.義理の親が亡くなったら香典を出すべきですか?
A.夫または妻が喪主を務めない限り、香典を包むことが一般的です。
義理の親であっても、葬儀に参列する立場であれば香典を包みましょう。香典相場も、義理の親だからと低くするのではなく、実親と同様に3万円〜10万円程度が目安です。
ただし、香典は1世帯につき1つ用意すれば十分です。夫婦で参列する場合は夫婦で1つの香典を包めば問題ありません。
親の葬儀の香典は、立場や事情に合わせて考えることが大切
親の葬儀では、子どもなので香典が必要・不要と、単純に決まるわけではありません。喪主や施主を務めるのか、参列する立場なのか、同居か別世帯か、香典辞退の案内があるかなどによって、考え方は変わります。
金額についても、相場はあくまで目安です。無理に高額を包むのではなく、家族とのバランスや自分の生活状況も含めて、無理のない範囲で包むのが現実的です。
表書きや内袋、お札の入れ方といった基本マナーも、事前に知っておけば当日の不安を減らせます。香典に関する詳しいマナーについては、こちらの記事で解説しています。
【画像で解説】香典の書き方は?夫婦や連名の場合、ペンの選び方から包み方まで
親が亡くなると、葬儀の後もしばらくは慌ただしい日々が続きます。実家は誰かが相続して住むのか、売却してそのお金を相続人で分け合うのか決めたり、相続の手続きをしたり、さまざまなことをしなければなりません。
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